【時流】
トランプ大統領“米朝首脳会談を中止”(5月25日)
米国・ホワイトハウスは、トランプ大統領から北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長に宛てた書簡を公表した。
この中でトランプ大統領は、来月12日にシンガポールで開く予定だった米朝首脳会談を中止することを明らかにした。
トランプ大統領の表明に先立って北朝鮮では過去6回にわたって地下核実験を実施してきた核実験場を閉鎖するとして坑道などの爆破作業が行われた。
北朝鮮は米国・韓国・英国・中国・ロシアの報道関係者に公開。北朝鮮は朝鮮半島の非核化を目指す姿勢を外国メディアを通じてアピールする狙いがある。
ところがその首脳会談が一転中止になった。
トランプ大統領が金正恩党委員長にあてた書簡を紹介した。
トランプ大統領は「北朝鮮と世界にとって大きな後退だ」と述べ、非核化に向けて北朝鮮に最大限の圧力をかけ続けると強調した。
一方、北朝鮮の対応次第では米朝首脳会談開催の可能性はあるとの考えを示した。
日本政府は北朝鮮の完全で検証可能かつ不可逆的な非核化を目指す立場は変わりないとして引き続き日米韓3か国で緊密に連携し、今後の対応をすり合わせていく考えである。
韓国・文在寅大統領は「当惑しており非常に遺憾」とした一方、「難しい外交問題を解決するため首脳同士の直接対話が重要」だとして引き続き米朝の橋渡しになる意向を示した。
ロシア・プーチン大統領は「残念だ」と述べ、会談実現へ対話の再開されることに期待を示した。
トランプ大統領が会談を中止した背景について、米朝首脳会談に向けては、米国が完全かつ速やかな非核化を求めていたのに対し、北朝鮮は体制保証と軍事的脅威解消を前提として段階的に非核化プロセスを進める立場を主張した。ポンペイオ国務長官によると、北朝鮮は米国との事前協議に応じなくなった。
北朝鮮が、軍事的選択肢を排除しない姿勢を示したペンス副大統領を強く非難したことで、トランプ大統領は会談中止を決断したものとみられる。
現在のところ、北朝鮮は会談の中止について反応は示していない。
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