【時流】
トランプ大統領・ティラーソン国務長官解任(3月14日)
米国では政権高官の辞任や解任が後を絶たない異例の事態になっている。
政権発足から1か月がたたない間に安全保障担当のフリン元大統領補佐官が辞任した。
その後も、スパイサー元報道官、ブリーバス元大統領首席補佐官、バノン元主席戦略官も解任された。
今年も同様の事態があり、経済政策の司令塔だったコーン国家経済会議委員長が辞任することが明らかになった。
さらにプライス元厚生長官、ヒックス元広報部長に続き、ティラーソン国務長官が解任されることになった。
米朝会談など外交への大きな影響があるとみられる。
ティラーソン長官は「グローバル派」「国際協調派」と見られ、トランプ大統領との意見の違いが指摘されていた。
米国がより一国主義に傾く懸念も強まる。新国務長官に指名されたポンペイオ長官は強硬派として知られる。
北朝鮮の非核化に向けどのような外交を展開するか注目される。
またポンペイオ長官はイランの核合意にも批判的で離脱への選択肢は排除の検討を進めるとみられる。
またトランプ大統領は忠誠心がかけていれば、解任・辞任へと追い込んでいる。
トランプ大統領とすれば今年秋の中間選挙を見据え、忠誠心ある人物で政権を固めたい意向があるものとみている。
能力よりも忠誠心という姿勢では優秀な人材が集まらないと指摘があるほか、今回のようにツイッターで解任を示す手法では政府職員にも動揺がみられ、トランプ政権が安定に向かう道筋はいまだ見られていない。
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