【時流】
北朝鮮めぐる問題に変化は・南北対話開始(1月4日)
北朝鮮は昨日、韓国との連絡チャンネルを約2年ぶりに再開した。平昌五輪の参加に関連し韓国と実務的協議を行うとして南北関係改善への姿勢を強調している。
北朝鮮・金正恩委員長は約30分間の新年の演説の中で触れたのが、来月開かれる平昌五輪についてだった。
さらに双方の代表のあう準備があると述べ、これに応えるように韓国・文在寅大統領に関係改善に意欲を示した。
ムンジェイン大統領は「平昌五輪を南北関係改善と平和のきっかけにしようとする。われわれの提案に応じたものと評価し歓迎する」と述べた。
北朝鮮・国営テレビ・朝鮮中央テレビの放送でこれまでの発表で「南の執権者」などと呼んでいた文在寅大統領を初めて肩書つけ名前で呼んだ。
そのうえでおととし2月に途絶えていたパンムンジョムの連絡チャンネルを再開すると発表した。
韓国統一省によると昨日午後、北朝鮮側から電話回線を通じ連絡があり、双方が名乗ったうえで20分程度通話したという。
回線に異常がないかなどを確認したとして具体的な協議があったか明らかにしていない。
北朝鮮が弾道ミサイル発射など孤立を深める中、文在寅大統領は「対話の必要性」を呼びかけてきた。
それだけに平昌五輪をきっかけに北朝鮮が対話を呼びかけてきたことで韓国政府には歓迎ムードが広がっている。
ただ金委員長は「核のボタンが机の上にいつも置かれている」と述べるとともに核弾道ミサイル実戦配備に拍車をかけるよう指示するなど米国トランプ政権を威嚇している。
北朝鮮が核放棄を前提にした協議に応じる可能性は非常に低いのが現状である。
そのため韓国は米国との間で板挟みになることは避けられない。
戻る