【時流】
米連邦裁判所・部分的に大統領令認める(6月27日)
米国のトランプ大統領が出した中東などからに人の入国を制限する大統領令は全米で執行が停止されているが、連邦最高裁判所は政権側の申し立てを部分的に認め、一定の条件を満たす人を対象から除いたうえで執行することになった。
トランプ大統領は、テロ対策強化のためとして中東とアフリカの6か国の人の入国を制限する大統領令に署名した。このうち、3月の大統領令では、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンの6か国の人の入国を90日間一時的に制限した。
難民の受け入れも120日間停止とした。しかし、イスラム教徒を狙ったもので差別的だとの批判や反発が国内外からあがった。
連邦地方裁判所が憲法に違反する恐れがあるなどとして、全米で執行の停止を命じる仮処分の決定を出し、連邦控訴裁判所もこの決定を支持した。
しかしトランプ政権は連邦最高裁判所に不服を申し立てていた。
連邦最高裁判所は26日、大統領令の執行が全面的に停止されていることについて“アメリカの国益を損なう”として政権側の申し立てを部分的に認めた。そして米国に家族が住む人や大学への入学を許可された人、企業に採用された人など米国と正当な関係があるとされた人を対象から除いた上で、大統領令は執行されることになった。
また、連邦最高裁判所は今年10月以降に改めて審理するとしている。トランプ大統領は声明を出し「国の安全保障にとって明らかな勝利だ。私の第一の責任は国民の安全確保することであり、今回の判断により国を守るための重要な手段を使うことができる」と強調した。
一方で野党民主党の全国委員会は“大統領令は憲法違反であり闘い続ける”と主張し、反発していて、波紋が広がることも予想される。
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