【時流】
トランプ大統領・パリ協定からの離脱宣言(6月2日)
トランプ大統領は地球温暖化対策の国際的な枠組みパリ協定から脱退する方針を決定したと発表した。世界第2位の温室効果ガス排出量である米国の温暖化対策が後退し、世界全体の機運にも大きな影響が出ることが予想される。
トランプ大統領は「パリ協定では中国は温室効果ガスの排出を増やす事が許されている。米国にとって不公平」と米国の労働者や企業に公平な内容になるなら再び交渉を行う姿勢を示した。
パリ協定は地球温暖化対策の国際的な枠組みで世界の温室効果ガスの排出量を2050年以降実質ゼロにすることを目標に掲げている。脱退は早くても2020年11月となる。
米国国内では抗議の声も起きている。早速オバマ前大統領は「たとえ現政権が未来を拒否する一握りの国に加わるとしても州や企業が率先して次の世代と地球を守るためさらに力を入れると確信している」と批判した。
ドイツ・メルケル首相、フランス・マクロン大統領、イタリア・ジェンティローニ首相も共同声明を発表し「米国が協定から脱退すると決定を遺憾に思う」としてトランプ大統領の決定を批判した。日本政府は地球温暖化対策に大きな影響を与える恐れがあると受け止めている。
国際社会と協力して協定を着実に実行していく一方、米国には対策の重要性に理解が得られるよう働きかける。
トランプ大統領の選挙中からの公約を実行した形である。一方同大統領が抱えるロシアゲートの行方に焦点が移動する。
戻る