【隅田川シーズンズ】
とにかく堀切菖蒲園の花は美しい(その208) 6月2日、その日の朝早くに起きて、京成市川真間の駅から、堀切菖蒲園駅に向かった。
園の中に入ると、紫基調の菖蒲の花が、一面に散らばっていた。 この季節には、菖蒲の花のこの美しさが、ぴったりであった。 その日も空は、厚い雲に覆われて、梅雨時の鬱陶しい様子であった。 水が張られた、その中に、なんとも鮮やかな紫や白、それが混じった花菖蒲が、凛として咲き誇っていた。 心が洗われて、はっとする優雅さであった。 それほど、広くない菖蒲園ではあったが、玉の違いがはっきりして、品質本位の花の園であった。 どの花を見ても、すっきりした感覚を呼び起こす、優れものであった。 その菖蒲の世話をしてる人々も、皆さん丁寧に手入れをしている様子であった。 「相当、しっかり手入れをしているな・・・」と心の中で感謝をし、その成果物の艶やかさを鑑賞させて貰った。 なぜか、気分がすっきりして、すがすがしい気分になった。 早朝であったので、人は少ないし、花も生き生きしていた。 花の鑑賞には、早朝が適しているのではないかと内心思った。 それにしても、この江戸前の日本的美しさは、ここでしかお目にかかれないと、その贅沢さに満足した。 相変わらず、空は重い灰色であったが、麻の長そでシャツ1枚で、暑くも寒くもない気候であった。 その日は、そこから都心へと向かった。 戻る |