【隅田川シーズンズ】
今年も凍えながら「白鳥の郷」へ(その189) 1月27日その日の朝、8時半ごろのJR総武緩行線に乗って、西船橋へ行った。
何のへんてつもない、水が張ってあるだけの田圃に、なぜこれだけの数の「白鳥」が群れているのか、疑問であったが、漏れ聞こえてくる話では、「白鳥の餌付け」と「底の浅い貯水」がどうも秘訣であるようだった。 それにしても、その日は真っ青に晴れた青空へ、白鳥がなかなか飛び立とうとしなかった。 折角の青空に白い羽を羽ばたかせてくれなくては、絵にはならない。 率直に言って、湖で餌をついばんでる白鳥よりも、そこから飛び立ち、青空を舞う姿の方が、優雅な感じがする。 それでも、何羽かは、首を突き出して、空に飛んで行った。 また、空から滑空して、湖に着水するものもいた。 それにしても、今年は一緒に餌をついばんでいる、鴨の数が激変していた。 数えるほどしか見当たらなかった。 これも漏れ聞こえてくる、地元の人たちの声であったが、「鴨に餌をとられてしまうので、餌を巻く時間を少し遅らせた」のだそうだ。 なるほど、いろいろと工夫して、経済的効率を図っているのだなと内心思った。 この白鳥の湖は不思議な感じを呼び起こさせる。 たまに空を見上げても、まず白鳥が飛んでる姿を見たことがない。 なのに、この郷では、こんなにも多くの白鳥が集まっている。 たった2つのこと、即ち、「餌付け」と「浅い湖」だけでこんな奇跡が起こるのだろうか。大体この地が冬の白鳥のたまり場としてどうして選ばれたのか、そんなことを考えながら、その日の帰路に就いていた。 市川駅に着いたのは、11時頃であった。北風の冷たい冬の午前中であった。 戻る |