6月10日、その日の朝、8時半頃JR市川の駅から西船橋を経由し、武蔵野線の新松戸行き、常磐線(実際には千代田線)に乗り換え、北小金駅で下車し、今年も本土寺に「紫陽花」を鑑賞しに行った。 その日は朝から、今にも雨の雫が降りてきそうな空模様であったので、携帯用の薄いコートを所持した。 北小金駅から、10分ほど木立の参道を歩くと、その山門が見えてきた。参道の両脇には、紫陽花の花がずっと続いていた。 広い境内に入ると、紫、白、ピンクの紫陽花がいたるところに咲き乱れていた。 昨年の経験を基にして、今回は出口からその花園の中に入っていった。 今にも、大粒な雨が降りてきそうな鉛色の空の下に咲く、紫陽花は、もう一つの華やかさを持っているように感じた。 しかも、周辺の木立もその華やかさを上手く引き立てているようにも見えた。 朝の9時ごろと言うのに、もう既に多くの鑑賞客が集まり、思い思いにカメラやスマホを向けていた。 人々は、その色の見事さや、美しさなど、それぞれのうんちくを語り合いながら、楽しんでいた。 定番の紫陽花の他に、額アジサイや色とりどりの花が広がり、梅雨空の中で、華やかさを独り占めしているようであった。 少し奥に入ると、この季節のもう一つの主役である、花菖蒲が見えた。 この季節の花の色には、共通点がある。「紫」と「白」それに「赤紫」である。 季節と色素の関係には、何か強いものがあるのだと、再認識させられた。 それにしても、雨の香りの強い、この季節に、紫陽花そして菖蒲の花は、なんと日本的な色彩を演出してくれているのだろうかと、うれしくなってしまった。 そんなことを感じながら、その美しさをスマホの中に、どんどんと撮りだめていった。 最近は、一枚の写真もそうだが、全体の美しさを表現するのに、動画の機能を使うことが多くなった。全体のボリュウム感を表現するには、正に打ってつけであると感じている。