10月4日、8時半頃の出発になった。 いつものように、市川橋を渡って、先週と同じように篠崎公園を目指した。 江戸川の河原の見渡せる10面ほどの野球場からは、元気の良い歓声があちらこちらから上がってきた。 その日は、篠崎公園の手前辺りで土手を降り、ひたすら荒川を目指した。 とはいっても、大きな道路を避け、途中小道に入ると、偶然にも「田子ノ浦部屋」に出っくわした。 「ほう、こんなところに相撲部屋があるのか」と意外な発見に気を良くして、更に進むと環七を過ぎた辺りで「小松川境川親水公園」に遭遇した。 この川の佇まいは、石の土手と森林それに水の調和がとれており、都会の慌しさを忘れさせる静涼感を感じさせるものだった。 千葉街道をそのまま行くと、荒川と中川に架かる小松川橋に到着し、橋の真ん中辺りから首都高速真下のサイクリング専用道路に下りた。 その道路からは、すぐ隣を流れる荒川の水面の姿は、高い草木の陰で見えなかったが、虫の音などの自然の声が耳に入ってきた。 しばらく走ると、葛飾区に入った。 その辺りから見るスカイツリーは、すぐそこにあるような巨大な建造物としてそびえていた。 サイクリング道路は、なぜかそのところだけ行き止まりになっていたので、平行して走る中川の土手に登りそのまま走り続けた。 中川では、モーターボートと水上バイクが数台、けたたましい音を出して爆走していた。 看板を見ると、来週の10日この道でロードレースが行われると告げられていた。 高い土手から見ると、荒川の対岸の河原で、ここでも野球をしている人々が見えた。 江戸川とは異なりスケールが大きく、荒削りなその情景に、私はまた新たな感動を覚え、満足感が心の中から沸いてきた。