8月20日、その日の朝、JR市川駅から8時50分ごろの快速電車に乗り、千葉まで乗車した。 千葉に着いたのが9時少し過ぎた頃であった。僅か20分足らずの所要時間だったことに少し驚いた。 しかし、そこからが大変であった。やっと東金行きのバスを見つけ、乗り込んだが、目的地の泉自然公園までは、40分以上かかった。 千葉までが、遠いと考えていたが、実際はそこからバスに乗って目的地に辿り着く方がもっと時間がかかることがやっとわかった。 さらにそこから、15分ほど歩いた。 この辺りを訪れる人々は、おおよそ車でくるようだ。 兎に角、入り口の広い駐車場からパンフレットを手に取って、自然公園の中へと入っていった。 曇ってはいたが、夏の気候の中では、汗がじわっと感じた。 山道のような傾斜面を下ってゆくと、菖蒲田に出た。左回りにその公園内を巡ってみようとした。 結構広いと思われるその公園は、深い木々に覆われて、「自然公園」という名に恥じない趣が感じられた。 足元には、苔も生息しており、湿感も伝わってきた。 深い山道風の大木に包まれたその一角に、その日のお目当てである「キツネのカミソリ」の群生している場所があった。 数人がカメラ片手に、盛んに写真を撮っていた。 なるほど、かなり広い範囲に群生しており、見ごたえを感じた。 「キツネのカミソリ」という奇妙な名前のその植物は、彼岸花の一種であるらしい。 濃いオレンジ色の細身のその花は、なかなか絵になりにくい代物だった。 動画にしてみる方が、なんとなくその良さを伝えることができるような気がした。