「目黒のさんま祭り」 から東京都庭園美術館(その222)
9月8日、その日の朝9時ごろ、市川駅から総武快速線に乗り、品川駅で乗り換え、山手線で目黒駅まで行った。...
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9月8日、その日の朝9時ごろ、市川駅から総武快速線に乗り、品川駅で乗り換え、山手線で目黒駅まで行った。
朝から、もあーとした湿気のある天候であった。
目黒駅に降り、東口の出口に出ると、秋刀魚の匂いが迫ってきて、既に大勢の人々が集まっていた。
演壇が作られ、主催者の挨拶が始まっていた。
道路の向かい側に渡ると、秋刀魚の塩焼きが始まっていた。
例年は岩手・宮古市で水揚げされたばかりのサンマを用意しているが、ことしは深刻な不漁が続いているため、去年水揚げされ冷凍保存していたサンマをふるまうという初めての対応を余儀なくされたという。
それにしても、その広い道路は規制され、道端一杯に秋刀魚の炭火焼きが一斉に始まっていた。
焼き方は独特で、一つの炭火コンロを2つに分け、おおよそ10匹づつ交互に焼いていた。
しかも、そのコンロが、概ね10~20位連なり、焼き手は、パタパタと団扇で煽いでいた。
秋刀魚を食べようとする人々は、もう既に、長い列を作り、プラスチックのお皿を貰う順番を待っていた。
実は、焼けた秋刀魚は、その皿の上に載せられて、それを割りばしで、食べるのだった。
焼き手は、次々に生の秋刀魚をコンロの上に載せ、10匹単位で焼き、仕上がると、次々にお客の皿の上に載せていった。
その辺りは、秋刀魚の匂いがする煙が立ち込めて、もうもうとしていた。
そうした情景を横目に見ながら、その一帯を後に、3分ほど先の「庭園美術館」に足を伸ばした。
景色はガラッと変わり、瀟洒な鉄門から洒落た庭園に入った。
中には、大きな池があり、その中に見事な錦鯉が何匹も泳いでいた。
かなり大きな錦鯉で、赤や白、それに金色をした鯉もいた。
庭園は、綺麗にデザインされ、そこに芝や木々が配置されていた。
高台があり、そこから見る庭園もなかなか趣があった。
三脚を開いて、片手に持ったビデオカメラを取付け、ゆっくりと撮影した。
暫らく、その瀟洒な雰囲気を楽しみ、外に出てみると、早速あの塩焼きの香りがしてきた。
その香りを楽しみながら、その日は目黒駅から市川へと同じ道中を引き返した。
Tシャツは、びっしょり濡れて、内側に着ている肌着まで、汗が染みている感覚があった。
市川に戻ると、丁度時計は昼の12時を指していた。
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秋の風景を求めて「向島百花園」へ行く(その221)
9月1日、その日の朝9時ごろ、JR市川駅から総武快速線に乗り、錦糸町駅で地下鉄半蔵門線に乗り換え、東武線東向島駅で下車した。...
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9月1日、その日の朝9時ごろ、JR市川駅から総武快速線に乗り、錦糸町駅で地下鉄半蔵門線に乗り換え、東武線東向島駅で下車した。
空は薄曇りで、長袖のシャツ1枚で丁度良かった。
東向島駅を降り、向島百花園に向かう道すがらに、赤白の大きな「ハイビスカス」の花が咲いていた。
百花園に入ると、江戸時代に戻ったような門構えを中に入って行くと、真紫に染まった桔梗の花が迎えてくれた。
夏から秋へと移行するこの季節には、なかなかボリューム感のある花園にお目にかかれない。
そこで、重宝するのが、この花園である。百花園には、文字通り四季折々の花々が咲いている。
ただし、その規模はそれほどのものではない。
細い鉄で作られた萩のトンネルがあったが、萩の花はなく、草茫々のトンネルがあっただけだった。
夜間も開園しているのか、ボンボリが随所に架かっていた。
ここからは、東京スカイツリーの頭の部分が見え、池には周りの草花が映り、黄色の蝶々や蜻蛉が飛んでいた。
ビデオカメラで撮っていると、時折藪っ蚊が飛んできて、集中力の邪魔をした。
それでも、既に秋の花が咲き始め、周りの木々と共に、その訪れを感じさせた。
もうすぐ、紅葉の季節がやってきて、辺りはその色一色に染まって行く予感も感じさせた。
この園には、隅々に句の碑が建っており、芭蕉などの名句や詩が彫り込まれていた。
それほど広い邸ではないが、文人、歌人が集まり、季節を楽しんだ風情が感じられた。
出口近くに大きな瓢箪がぶら下がって、その先には瓜も吊り下がっていた。
来るべく秋を皮膚で感じ、小一時間でその園の出口へと向かった。
出口から、同じ道を駅に向かい、その日は都心へと足を向けた。
相変わらず、暑さを感じたが、季節の移ろいも感じさせてもらった。
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蝉が鳴き、向日葵が咲く、その中に秋が忍び寄る「木場公園」(その220)
8月25日、その日の朝9時頃、総武線市川駅から緩行線に乗り、西船橋駅で地下鉄東西線に乗り換えて、木場駅まで行った。...
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8月25日、その日の朝9時頃、総武線市川駅から緩行線に乗り、西船橋駅で地下鉄東西線に乗り換えて、木場駅まで行った。
朝からカラッとはしていたが暑い日であった。
15分ほど電車に乗り、木場駅から2、3分歩くと、大きな公園があった。
そこには、木立がこんもりとした、奥の深い空間が広がっていた。
入り口付近の木立に囲まれた日陰の中では、「ゲートボール」で遊ぶ年配者の一群があった。
中に入って行くと、花壇が見えてきた。
蝉が煩いほどに鳴き、よく見ると太い木に、しっかりとしがみ付いて鳴いていた。
群生する、花を見ながら歩くと、何とはなく「秋」の訪れを感じた。
茂る草木の中に、小さな池があり、子供たちが楽し気に遊んでいた。
広い空間に出ると、バーベキュー広場があり、そこでは若者たちが歓声を上げて楽しんでいた。
近くの広場では、親子、それも何組もの男親と小さな子供達が手を取りあって遊んでいた。
空には、青空の中にぽっかりと白い雲が浮かんでいた。
その公園には、中央に吊り橋風の大きな橋が架かり、その向こうには東京スカイツリーがそびえていた。
帰り道に、高いビルを見ると、窓ガラスの清掃の為に、高い所からロープを垂らし、そのロープに体を委ねた男の姿が見えた。
帰りも、行きと同じルートを採り、市川駅まで電車に乗った。
昼前に帰ることができ、時間効率の良い小旅であった。
Tシャツにも汗はさほど染みてなく、小さな秋の訪れを感じた。
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