非常事態宣言は解除されたが(その259)
5月31日、その日の朝、10時ごろ、JR市川駅に隣接する3階のプロムナードでいつものように、リハビリで杖をついて歩行練習をしていた。...
全部読む
5月31日、その日の朝、10時ごろ、JR市川駅に隣接する3階のプロムナードでいつものように、リハビリで杖をついて歩行練習をしていた。
その日は、非常事態宣言が解除されてから、初めての日曜日だったので、そこには数家族が、小さい子供を連れ日曜の午前中を楽しんでいた。
頻繁に発着するJRの電車の中は、どの車両もガラガラに空いていた。
空には、綿雲が拡散し、快晴という状態ではなかったが、時折青空が顔を出していた。
幼児が、元気よくプロムナードをよちよち歩きで、両親を追いかけていたが、途中から、ハイハイの形になって、それでも必死に親を追いかけていた。
ぎっくり腰になってみてから、すくっと立って歩くということが、いかに大変なことであるかを思い知らされることになったが、幼児がよちよち歩きから、ハイハイ状態になる過程を見ていると、そのことの重い現実を突きつかれた気持ちになった。
普段何気なく、通り過ぎてゆく、周辺の景色が、なぜか新鮮な風情を感じさせる不思議な感覚を覚え、その日は3回ほど、時間を変えて、そのプロムナードで、リハビリを繰り返した。
そろそろ、直角に立って、しっかり歩かなければ、世情に取り残される気分になっていた。
閉じる
祭りの季節・幻となる(その258)
5月28日、例年であれば、この季節、空は晴れ東京中に「祭りの囃子と掛け声」が響いてくるものである。
しかし、今年は、青空の下、陰鬱な空気が蔓延している。
昨年のこの季節を、走馬灯のように振り返ってみたい。
あの熱狂の祭りの興奮を伴って。
非常事態宣言下最後の日曜(その257)
5月24日、その日の午前10時ごろ、リハビリの為に先週と同じ市川駅脇のプロムナードで、杖をついてよたよたと歩いていた。...
全部読む
5月24日、その日の午前10時ごろ、リハビリの為に先週と同じ市川駅脇のプロムナードで、杖をついてよたよたと歩いていた。
そこには、3組ほどの2人連れが、木が植えられた円形のベンチに座って、会話をしていた。
気がついてみると、木々には5月の若葉と生命が宿り、緑が目に眩しかった。「ほー」と思い、おもわずスマホを向けていた。
気がついてみると、木々の生命が、息吹き、輝き、燃える一年の中でも最も美しいこの季節も、あと数日で終わろうとしていた。
思いがけないコロナ禍の為に、この季節も鬱々とした気分で過ぎている。しかも自分の身にも「ぎっくり腰」という災禍が襲い、灰色は更に濃いものになっている。
足腰のほうは、それでも少しづつ快方に向かっているが、明日明後日の非常事態宣言解除までに、自分の足で電車に乗り、江戸川を渡ることが可能であるかは、はなはだ疑問であった。
そんな焦りもあり、杖を突かずに、腰を立てて歩いてみた。「おお」少し歩けたが、直ぐに足腰の痛みが襲ってきた。まだまだ、普通に歩けるまでには時間がかかると感じた。
ふと見ると、先週まで、盛りにあったつつじの花の列も、花びらが散り始めていた。
閉じる
「隅田川シーズンズ」内の検索