枯れ葉の静寂(その29)
11月22日、その日、8時15分頃自宅を出発し、市川橋で江戸川を渡り一目散に荒川を目指した。
平井大橋を渡り、荒川の土手を「大島・小松川都立公園」に向かった。
そこは、10月18日の葛西臨海公園からの帰りに、通りかかった「千本桜」と銘打たれた並木道が妙に綺麗だった記憶があったからだった。...
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11月22日、その日、8時15分頃自宅を出発し、市川橋で江戸川を渡り一目散に荒川を目指した。
平井大橋を渡り、荒川の土手を「大島・小松川都立公園」に向かった。
そこは、10月18日の葛西臨海公園からの帰りに、通りかかった「千本桜」と銘打たれた並木道が妙に綺麗だった記憶があったからだった。
その長い並木道から、一歩入ったところに公園の入り口があった。
入ると、広々とした草むらが目に入り、子供たちがボールゲームに勤しんでいる様子が見えた。
少し走ると、今度は見慣れないスキー場のようなスロープが見えてきた。
そこまで行ってみると、二つの大きな橋が架かっていた。
行ってみるとそのスロープは、「もみじ大橋」と「さくら大橋」というアーチ型の橋だったのだ。
その橋から下を見ると、カヌーや6人乗りボートなどが何隻も見えた。
その川が、旧中川であった。ここで江戸川区と江東区に分かれる境であった。
橋を渡ると、野球場があった。その川に下りてみると紅葉の並木が美しかった。
荒川に戻り、更に南下してみると、公園の飛び地があった。
荒川と旧中川に挟まれたその公園は少し高台になっていた。そこに入ると、山奥に入ったような静けさがあった。
紅葉した欅の木が、旧中川に面して斜面に林立し、地面は落ち葉で埋まっていた。
その時は、私までもが秋に染め抜かれたような心境になっていた。
千本桜並木を引き返す途中で、荒川のススキ林を分け入りながら、水辺に降りると老人と子供が寒々とした川をひたすら眺めていた。
JRの鉄橋をくぐり、今月の1日にきた時には、咲き誇っていた赤とピンクのコスモスの群生が、綺麗に無くなっていた。
その時、私は季節の移り変わり目は、あっという間にやって来て、その景色を完全に塗り替えてしまうものなのだなということを強烈に感じた。
先週は、JRに乗って7分でやってきたこの旅をその日は、30分かかって市川まで引き返した。
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荒川慕情(その28)
11月15日、今朝の空は鈍よりし、雨が降っていた。
そこで、サイクリングは止めて夕方、まだ探検(?)仕切れていないJR平井辺りを探訪することにした。
14時半に、JR市川駅から平井駅に向かった。
僅か9分で、江戸川、荒川を渡って、その駅に着いた。...
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11月15日、今朝の空は鈍よりし、雨が降っていた。
そこで、サイクリングは止めて夕方、まだ探検(?)仕切れていないJR平井辺りを探訪することにした。
14時半に、JR市川駅から平井駅に向かった。
僅か9分で、江戸川、荒川を渡って、その駅に着いた。
毎日通勤で、通っているのだが、平井駅で降りるのは初めてだった。
平井が、江戸川区であることを知ったのもここ1ヶ月のことだった。
自分の知識が甘いのを思い知らされた感じであった。
南口から降りて、なんとなく荒川の方向へと、道しるべもないままふらっと歩いた。
JRの鉄橋が見えてきたので、多分そこが荒川だろうと思った。
その予感どおり、何とか荒川にたどり着いた。
季節のせいかなんとはなしに寂しげな風景であった。
スカイツリーも大きくは見えるが、もやっていた。
土手から、広い河原に出て、川に近づくと、縁ぎりぎりで釣りを楽しんでいる黒い影があった。
川辺ぎりぎりには、秋を思わせる枯れ木が並んでいたが、一点赤い実をたわわに熟したグミの実が目を射てきた。
川幅が広い荒川であるが、この季節は陽が落ちるのが早く、もう夕暮れが始まっていた。
川の真ん中では、水鳥たちが、それでも戯れているのが目に入ってきた。
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寅さんサミット(その27)
11月8日、今日私は、いつものように市川橋を渡り、東京都側の土手を柴又の「寅さん記念館」を目指して走った。
その辺りで、昨日と今日の2日に亘って、「寅さんサミット」が開催されるとの情報を得ていたからだ。
今日は、7時に家を出てきた。...
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11月8日、今日私は、いつものように市川橋を渡り、東京都側の土手を柴又の「寅さん記念館」を目指して走った。
その辺りで、昨日と今日の2日に亘って、「寅さんサミット」が開催されるとの情報を得ていたからだ。
今日は、7時に家を出てきた。走り出すとたまに雨粒が顔にあたった。
空は曇天で、重い雲が立ち込めていたが、小鳥たちのさえずりが、耳に心地よかった。
20分も走ると「寅さんサミット」の会場に到着した。その頃は、小粒の雨に変わっていた。
期待したほどのスケール感はなかったが、第1作からのロケ地順にポスターが貼られ、その土地の食材などが楽しめるコーナーが続くと想像した。
8時近くでは、まだ開店していなかった。
全ロケ地が揃っている訳ではなかったが、第一作目の「奈良県斑鳩町・男はつらいよ」、「東京都新島・柴又より愛をこめて」「東北地方の復興支援・原風景を取り戻す火が来ることを願って」「ウィーン市・寅次郎心の旅路」等々とロケ地が続いていた。
その展示会場を出て、私は「寅さん記会館」に闖入した。
その時間には、まだ開場していなかったが、開いているシャッターから、失敬し「葛飾柴又撮影所」なるセットをスマホに収めた。
奥からは、準備の人たちの声が活発に聞こえてきていた。
記念館の横の階段とスロープを上がると、自転車を置いてきた公園に戻ってきた。
屋根のついた休憩所では、帽子を深く被った女性が一心に水墨画で「江戸川の風景」を描いていた。
時間は、まだ8時半であった。
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