桜は満開なれど霧雨が降る(その41)
4月3日8時半、天気予報とは打って変わって、霧雨の降る市川だった。
その雨の中をいつものように江戸川に出て、市川橋を渡り、土手下の河原に降り、JR総武線、千葉街道、京成線の下を潜り水元公園を目指して北上した。
手袋をしてない手は、冷たくかじかんでいたが、時折出っくわす桜の木は、どれも満開だった。
寅さん公園の前を通ると、桜並木の下で町をあげて宴会を催すような準備の最中であった。...
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4月3日8時半、天気予報とは打って変わって、霧雨の降る市川だった。
その雨の中をいつものように江戸川に出て、市川橋を渡り、土手下の河原に降り、JR総武線、千葉街道、京成線の下を潜り水元公園を目指して北上した。
手袋をしてない手は、冷たくかじかんでいたが、時折出っくわす桜の木は、どれも満開だった。
寅さん公園の前を通ると、桜並木の下で町をあげて宴会を催すような準備の最中であった。
さらに走り、水戸街道、常磐線の下を通り、土手の上にあがり、暫らく走ると水元公園に通じる長い桜のアーチが続いた。
さらにその公園の横に連なる桜の長い並木道の中を走った。
桜並木から公園に入ると、煩いぐらい小鳥たちのさえずりが聞こえてきた。
細長い湖も見えてきた。
水元大橋を渡り、さらに行くと木々の名前は分からぬが、垂直に伸びた木々が森を作っていた。
白鷺と思われる鳥が、一羽悠然と遊んでいた。
雨が強くなってきたので、雨宿りをしようと屋根の付いた休憩所まで、引返し暖かい「甘酒」を口にした。
服の表面にはかなりの水滴が溜まっていた。
その日は、そこまでにし、折り返すことにした。
雨は、降ったり止んだりだった。
帰り道、寅さん公園で一服した。
「今日は取りやめだな」という声が聞こえてきた。
桜を肴にする宴会は取りやめられたのかも知れない。
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まだ桜はちらほら(その40)
3月27日、その日は市川橋を渡ると、そのまま蔵前橋通りをひたすら荒川流域へと走った。
朝8時頃のその通りは、車の流れも閑散としていた。
狙いは小松川大島公園の「千本桜」であった。
自宅を出て、江戸川の土手に至るまでに桜の並木が目に入ったが、蕾がほとんどで満開には程遠かったこともあり、半ばあきらめていたが、やはり花びらは寂しい限りだった。...
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3月27日、その日は市川橋を渡ると、そのまま蔵前橋通りをひたすら荒川流域へと走った。
朝8時頃のその通りは、車の流れも閑散としていた。
狙いは小松川大島公園の「千本桜」であった。
自宅を出て、江戸川の土手に至るまでに桜の並木が目に入ったが、蕾がほとんどで満開には程遠かったこともあり、半ばあきらめていたが、やはり花びらは寂しい限りだった。
「むーむ、残念」と心の中で押し殺した。
桜はそれほどではなかったが、広場には人が沢山集まっていた。
どうやら桜を見ながら、ハーフマラソンに参加しようという人々が大勢いた。胸にゼッケンをつけていた。
私の心は、それでも桜を求めていた。「あった。あった」白い花びらの桜であったが、数本並んで満開の桜が咲いていた。
その枝に小鳥が飛んできて、止まった。「鶯かな」その鳥の名前を確認できるほど鮮明には見えなかった。
私はそのまま、薄ら寒い荒川の土手を未だ咲かない桜並木を小鳥のさえずりを聞きながら東京湾へと走った。
サイクリング道路は良く整備され広く走り易かった。
今はサイクリングブームなのか、極限までシェイプアップした自転車にぴちっと体型にフィットしたウェアーを着こなした集団が次から次へとすれ違った。
左手に荒川を望みながら、河原の道を走って行くと行き止まりが見えてきた。
そこで止まり、海の方向を望むと湾岸道路の向こうに大きな貨物船が見えた。
川中では、クルーザーが何隻も連なって波飛沫を上げていた。
帰り道に、ハーフマラソンのランナーの長い集団とすれ違い、まだ寒さの残る荒川を後にした。
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もうすぐ春(その39)
3月20日、少し春めいてはきたが、その日の朝はひんやりしていた。
8時半ごろいつものように江戸川に出て、そのまま南下し行徳橋に向かった。
土手を行くと、小鳥のさえずりと6、7羽で一群をなして飛んでゆく鳥たちの動きが目に入ってきた。...
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3月20日、少し春めいてはきたが、その日の朝はひんやりしていた。
8時半ごろいつものように江戸川に出て、そのまま南下し行徳橋に向かった。
土手を行くと、小鳥のさえずりと6、7羽で一群をなして飛んでゆく鳥たちの動きが目に入ってきた。
左右の草木は、緑色に染まっていた。
行徳橋を渡り、旧江戸側のサイクリングロードを浦安に向かった。
道端の花壇に水仙の花が所々に咲いていた。
ディズニーランドの城が見える辺りからJR京葉線、湾岸道路の下を潜って「葛西臨海公園」東側入り口に辿り着いた。
昨年、船橋の三番瀬、葛飾の水元公園、それに荒川流域に足を伸ばした結果、行き先のバリエーションは格段に広くなっった。
その日桜が満開であったら、一体どこを優先して回れば良いのか判断がつかなくなっていただろう。
それぞれに立派な桜並木があり、どれをとっても見逃せないものに思えた。
幸いその日は、桜の開花までいかなかった。
何箇所かで、桜の木を観察したが良くて一輪ほどの花が開花しているだけだった。
臨海公園に入ると、森を通った。ほとんど緑一色の中に、桃の木に咲く花が濃いピンク色に鮮やかに咲いていた。
杏の木にも綺麗な花が咲いていた。
橋のところに自転車を置いて、なぎさ橋を渡った。空は曇り風は寒く感じた。
そのまま汀の防潮堤をカメラマンが大勢構えている突先まで歩いていった。
東京湾には、ヨットが10隻ほど見えた。
霞んではいたが、アクアラインも見えた。
そこからの都心のビル群は、陸から見る景色とは違って、新鮮な輝きを見せていた。
11時半ごろ、同じルートで復路を家路に向かった。
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