2月26日、その日は穏やかな朝だった。9時ごろ自宅を出て、市川側の土手を走り、先ずは満開のカワズ桜の並木に到着した。手元のウォッチではすでに8℃になっていた。
その並木の真ん中辺りで、ドローンを飛ばしているグループが目に入った。風呂敷サイズのエアーポートの上に、ドローンが離陸を待っていた。
とっさにスマホを出し、動画で構えると、既にドローンは上空を川向こうまで飛んで行った。一瞬の出来事であった。
確かに、そのドローンは少し大型で、しかも想像よりも「動き」が速く、一瞬で上空に上がり、あっという間に遠くまで飛び、その上空でホバリングしていた。
今度は、それが戻ってくるような気配がした。急いでスマホを準備すると、桜の中に舞い降りてきた。「イヤー速いな」と舌を巻いたが、何とかスマホに撮れた。
朝から何かのイベントに出っくわした感じであった。気分を良くして、行徳橋を渡り、旧江戸川のサイクリングロードをひたすら走り、葛西臨海公園まで走った。
臨海公園直前の旧江戸川河口部は、川幅が広く、左手にディズニーランドがすぐそこに見えた。
公園に入ると、最も東の縁に向かった。そこから椰子並木を通り、海辺に降り、海と陸との細い縁を走り、「東の渚」を左に見るような形をとった。
その辺りは、海鳥が群生し、大挙して空を駆け巡っていた。中には楽しそうに潜っては、また頭を出し、水面ぎりぎりを飛ぶ水鳥もいた。
ラムサール条約の湿地として登録の動きもある、その辺りは、確かに豊かな自然が形成されていた。
なんと言っても、「自然」と「海」と言ったフレーズがぴったりであると感じた。
少し移動をし、昨年の晩秋に見つけた、「カヌースラローム」会場予定地に寄ってみた。
まだ、建設工事はされていないようで、がらっとした広い敷地からは観覧車が見えた。
帰りは、荒川河口から、綺麗に整備されたサイクリングロードを遡り、新川経由で、ポニーランドに出た。
そこの広い花畑は透明のビニールが被せられていて、花は咲いていなかったが、手前の一角には、パンジーとマーガレットの花が咲いていた。
その日は、風もなく暖かく、気温も11℃で、何かもうすぐ春が来るというサイクリング日和であった。
自宅に着くと、正午辺りであった。背中に僅かに汗のにじみを感じた。
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