小石川後楽園から北の丸公園、そして皇居東御苑、去り行く秋の美しさを吟賞した(その128)
12月3日その日、朝8時40分ころ、JR市川駅から緩行線に乗って、飯田橋まで行った。...
全部読む
12月3日その日、朝8時40分ころ、JR市川駅から緩行線に乗って、飯田橋まで行った。30分程でその駅に着いた。
空は晴れ、比較的穏やかな冬の朝であった。
駅前の大掛かりな歩道橋を渡り、外堀通りから「小石川後楽園」へのアプローチに入ると、急に人の波が大きくなった。
入り口に入ると、赤い綺麗な紅葉の木々が、私たちを迎えてくれた。
園内に入ると、瀟洒な池が眼前に現れた。
水戸徳川家、二代藩主の光圀の代に 完成した庭園で、光圀は作庭に際し、明の儒学者である朱舜水の意見をとり入れ、中国の教え「(士はまさに)天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から「後楽園」と名づけられたとパンフレットにあった。
庭園は池を中心にした「回遊式築山泉水庭園」になっており、随所に中国の名所の名前をつけた景観を配し、中国趣味豊かなものになっているという。
また、特徴として各地の景勝を模した湖・山・川・田園などの景観が巧みに表現されているという。
庭内をゆっくり鑑賞すると、中国趣味というよりも、江戸時代を感じさせる日本独特の「秋の紅葉」を感じさせるものだった。
しかも隣に位置する「東京ドーム」の特徴的な大きな屋根もその景観にすっかり馴染み、その融合が日本の秋の情景を麗しく感じさせた。
江戸情緒を楽しんだ後、後楽園を後にし、水道橋駅で手に入れた地図を頼りに、北の丸公園へと歩を進めた。
武道館から現代工芸館に向かって歩いてみると、ここでも紅葉が進み、大都会ど真ん中の喧騒は聞こえてこず、しっとりとした秋の森にいるような情景であった。
北の丸公園を出て、目の前の皇居の中に入った。
紅葉の規模はさほどでもなかったが、広々とした大スケールの公園に、大勢の人々が伸び伸びと、秋の日を楽しんでいる様子が窺えた。
その日は、大手門から東京駅に向かい、JRの快速線で市川へと帰路に就いた。
閉じる
駒込の大名庭園「六義園」に「日本の秋の美しさ」を見つけに行った(その127)
11月26日、その日朝9時にJR市川駅から総武線緩行線に乗り、秋葉原駅で山手線に乗り換え、「駒込」の駅で降車した。...
全部読む
11月26日、その日朝9時にJR市川駅から総武線緩行線に乗り、秋葉原駅で山手線に乗り換え、「駒込」の駅で降車した。
そのまま、ほぼ駅前にある「六義園」に染井門から入った。
入り口を入ると、赤い傘に、2つの長いすがセットで野点風に迎えてくれた。
左方向に歩いてゆくと、こんもりとした木陰の向こうに池が見えた。
池には、和風の瀟洒な橋が架けられ、赤い紅葉が垣間見えた。
その日は、天気も良く、青い空に筋雲が白く浮かんでいた。
その橋を渡ると、大きな池が見えた。
青い空に、緑の木、その中に紅葉し赤に染まった木々、そして空には一筋の白い雲。
そうした色とりどりの情景を池の面が鮮やかに映し出していた。
渡月橋を過ぎ、正門方向には行かずに、出汐湊から滝見茶屋に向かった。
大名屋敷を感じさせる大きな池を見ながら、千鳥橋を渡り「吹き上げ茶屋」まで歩いた。
その茶屋で、抹茶と甘味を頂き、藤代峠からもう一度池を見た。
その辺りからの景色は、紅葉と緑がほど良く組み合わさり、最上の秋の景色であった。
山蔭橋を渡ると、これまでの景色と異なり、川風の形状の両側に紅葉した木々が重なり、更に深い秋の情緒を感じさせてくれた。
水面には、赤い落ち葉が一面に落ちて、水が見えないくらいになっていた。
江戸時代の大大名が、贅を凝らして作り上げた庭園の奥底に潜む「美意識」をなぞる様に堪能し、「日本の秋」を鑑賞した。
なんと美しい事だろうかと思った。
閉じる
錦秋を求めて「養老渓谷」を巡る(その126)
11月19日、まだ太陽が昇らない、6時16分に市川駅からJR総武快速線に乗り、「養老渓谷」を目指した。...
全部読む
11月19日、まだ太陽が昇らない、6時16分に市川駅からJR総武快速線に乗り、「養老渓谷」を目指した。
千葉で、内房線に乗り換え、7時丁度に五井駅に着いた。
五井駅で、7時3分に発車する「小湊鉄道」の上総中野行きに、乗車券を買わないで飛び乗った。
それまでのJRの車両とは違い、オールドファションのデーゼル電車であった。
先ず、その落差に驚かされた。
電車はカーブすると、「キュウキュウ、ギシギシ」と音がする。
2両編成のその電車には、両側の長いすに、ほど良く乗客が座っていた。
出発してすぐに、女性の車掌さんが発券手続きのためにやってきた。
その日は、右側の車窓の奥に、富士山が見えると、その車掌さんがマイクで教えてくれた。
見ると五井の工場の数本の煙突の間に、富士山がそびえていた。
50分ほどそのまま乗ると、「月崎」駅に着いた。今をトキメカす「チバニアン」があるところだ。
その日は、そのまま電車に乗って、2つ目の「養老渓谷」駅で下車した。
改札口を出て、線路を渡り、せっせと歩いて「梅ヶ瀬渓谷」へと向かった。
赤い「宝衛橋」を渡り、短いトンネルを過ぎると、紅いに染まった紅葉も、時折見ることができた。
途中、「チバニアン」を思わせる、断層が綺麗に現れている「地層」を見ることができた。
渓谷に降りると、「日高邸」跡地まで、水の流れの上を、小さな岩や石を頼りに、渡った。
それでも時折、靴の中に水が入ってきた。泥濘もあった。木の弦を頼りに岩を降りたりもした。
そこから、今度は、ほとんど道らしきものが分からないような、上りの山道を息を切って歩いた。
それでも子供や犬を抱えた家族ともすれ違った。1時間も歩いただろうか、「大福山の展望台」辺りに辿り着いた。
その日は、展望台に上らず、そのまま「女ヶ倉」を経由して、「養老渓谷」駅に戻った。
おおよそ、15キロぐらい歩いたのだろうと思った。久しぶりのエキササイズに、足に疲れを感じた。
良いハイキングであった。
閉じる
「隅田川シーズンズ」内の検索