この季節の清涼感を求めて「水元公園」へ(その211)
6月23日、その日の朝9時ごろ自宅を出て、京成電鉄の「市川真間」駅へと歩いた。...
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6月23日、その日の朝9時ごろ自宅を出て、京成電鉄の「市川真間」駅へと歩いた。
そこから高砂駅まで乗車し、金町行きに乗り換えた。
気温はそう高くなかったが、どんよりした空の日だった。
京成金町駅から、タクシシーに乗り、水元公園中央入り口に着いたのは、9時40分頃であった。
以前は、自転車でこの公園に来たが、電車で来るとなると結構な時間がかかってしまった。
その公園に入ろうとすると、美しい紫陽花の列が迎えてくれた。
この季節にふさわしい、その花群は水の多いこの公園にはぴったりであった。
青や紫、そして白に色どられたその花園に、早速ビデオカメラを向けた。
その列は、100メートルぐらい続き、続いて菖蒲の花の園が目に入ってきた。
流石に、6月後半になると、一部の花には疲れが見え始めてきたが、それでもまだ花盛りであった。
特に菖蒲の花園は、広く、3か所ほどに分散されていた。
眺めの中には、いつも湖と青い橋が見えた。
多くの人々が、楽し気に語らいながら、そぞろ歩きをしていた。
湖の向こう側には、三郷公園がすぐそこに見え、たまにそこから声が飛んでも来た。
水面に竿を垂らした釣り人が、ただ黙って、その先の動きに集中していた。
重い空の下で、孤独にひたすら竿の動きに集中している人々もいれば、やたらしゃべりに夢中になっている釣り人もいた。
それにしても女性一人で釣りをしている場面には、遭遇しないことにその時やっと気が付いた。
赤黄色の山百合が数本咲いていた。
湖面は唯、静かで、だれも話をしない。
水元公園は、東京都の都営公園の中で最も広い面積を誇っているが、歩いて移動すると、残念ながらその100分の1程度しかカバーできない。
以前は、野鳥のいる場所やこんもりした森林の中を自転車で走りぬいたものだったが、その日は、紫陽花と菖蒲の花畑を中心に、散策を続けた。
鬱陶しい季節の真っただ中で、その季節がくれた美しい花々を堪能していると、心が晴れていくのを感じていた。
その日は、水元公園の水溜まりを経て、再び京成金町まで戻って、そのまま自宅へと帰宅した。
雨にもたたられず、長そでのシャツ一枚で丁度良い気候であった。
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早起きし「松戸の本土寺に紫陽花」を求めて(その210)
6月16日、その日の朝、早起きをし7時半ごろJR市川駅から緩行線に乗り、西船橋駅まで行き、武蔵野線に乗り換え、もう一度北松戸駅で千代田線に乗り換え北小金駅で下車した。...
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6月16日、その日の朝、早起きをし7時半ごろJR市川駅から緩行線に乗り、西船橋駅まで行き、武蔵野線に乗り換え、もう一度北松戸駅で千代田線に乗り換え北小金駅で下車した。
その朝は予想に反し、空に雲が浮かんでいたが、日が差し込む夏の日であった。
北小金駅で、時計を見ると、8時15分頃であった。
本土寺の参道には、既に多くの人々が紫陽花の園をめがけて、ぞろぞろ歩いていた。
山門から入ると、目当てのその花は、この季節に合わせた、青や赤紫などの化粧をして、訪問客を待っていた。
花には、昨日の雨の雫が浮き上がっているものもあった。
ここ3年ほど、この季節にこの寺を訪れているが、例年ほどの華やぎはなかった。
前日寺に、開花状況を聞いたが、「8分咲き」との回答であった。
「ほう、これで8分か?」と意外に思った。
実は毎年、白山にも足を向けるが、今年は紫陽花の玉が小さく、貧弱だと聞いていた。
これだけ、温暖差があると、花もいつ咲いてよいのか戸惑ってしまうのかと勝手に想像し、現実をいかに楽しむかを考えた。
早速、ビデオカメラを取り出し、撮影を始めると、例年よりも人の多さが気になった。
朝8時に開門という、この寺での人出は、既にピーク前の状況であった。
いつものように、寺の奥に入り、歩きながら動画を撮っていると、賑やかな子供たちの歓声が聞こえてきた。
そこに咲いている紫陽花の景色に混じり、多くの来訪者が、楽し気に6月の気候を楽しんでいた。
日曜のこの日が、思いがけずに晴天になったことによるものか、紫陽花の華やかな色彩によるものかは、判別できないが、大方満足そうな会話をしていた。
花の園での、会話は、まちまちである。薔薇の園では、その蘊蓄が主なもので、菖蒲の郷では、花の生い立ちに関する情報が多かったが、ここでは花に関するものよりも友人関係や生活に関するものが多いように感じた。
それにしても、人々は「綺麗な色の花」が大変好みのようだ。
薔薇の園のようなかぐわしい香りがあるわけではないが、紫陽花には、鬱陶しいこの季節に一服の清涼感を感じさせるものがある。
雨の多いこの季節、傘を持たずに、こうしてカメラだけを手にできる機会はそうはない。
そんなことを考えながら、紫陽花の花をズームアップしてみると、その花弁の重層構造の美しさには驚かされた。
そんなことを考えながら、本来は菖蒲の花が咲いていたであろう池や蓮が咲く池を回りながら、ビデオを撮り続けた。
時々、襲ってくるやぶ蚊から、腕を守りながら・・・。
2時間近く楽しんだであろうか、山門を出て、参道に入っていた。
すれ違う人々も、ぞろぞろと紫陽花の園に向かって行くようであった。
その日は、特段汗まではかかなかったが、やや蒸し暑い梅雨時機を紫陽花に癒してもらい、帰宅の途に就いた。
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薄暮の中の堀切菖蒲園(その209)
6月8日、その日東京都心から都営浅草線に乗り換えて、更に青砥駅で京成上野行きに乗り換え、「堀切菖蒲園」駅に向かった。...
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6月8日、その日東京都心から都営浅草線に乗り換えて、更に青砥駅で京成上野行きに乗り換え、「堀切菖蒲園」駅に向かった。
駅から、道案内の標識に従い、菖蒲園に急いだ。
手元の時計を見ると午後6時50分に、堀切菖蒲園の正門に辿り着いた。
すると、大勢の人々が閉まった門の前に並んでいるではないか。
「あれっ7時から、菖蒲園のライトアップがされるのではないのか?」と思ったが、門に架かった案内を見ると、6時から7時までは、その準備として門を閉じると書いてあった。
「ほー、1時間は準備の時間で、閉門するのか」とやっと、状況を理解することができた。
7時になると、開門され、早速中に入っていった。ライトアップはされていたが、まだ辺りは、薄暮の状態で、自然光でも菖蒲の姿が確認できた。
「丁度良いタイミングだな」と思い、ビデオカメラを片手に持ち、撮影を始めた。
薄暮の中の白や紫の菖蒲の艶やかさは、日中のその輝きとは違った妖艶さを浮き出させていた。
しかも、僅か6日前に訪れた時よりも、花が開き、その数も増えて、豪華さが増していた。
夢中になって、カメラを回していると、周囲はやがて漆黒の闇の中となり、ライトに映し出された花々だけが、闇夜に浮かんできた。
周囲の鑑賞客から、吐息交じりの賞賛の言葉が聞こえてきた。
子供たちも楽し気に、はしゃいでいた。
漆黒の闇に浮かぶ、白や紫、それに赤紫。ズームアップすると花弁の筋までが透き通った色を演出してくれた。
昼と夜。そして僅か6日の間にこれほどの賑わいになる等、想像がつかなかった。
暫らく、江戸前の花菖蒲に酔っていたが、半袖のTシャツでは、じんわりと寒さを感じてきた。
時計を見ると8時少し前であった。
もう少し、その場に未練はあったが、風邪気味であったので、残念ながら帰ることにした。出口の門を出る時に係員から「有難うございます」と言われ、私も反射的にお礼の言葉を口にした。
堀切菖蒲園駅までの道すがら、余韻にしたりながら、雨にたたられなかった幸運に感謝しつつ、その日は帰宅した。
それにしても、入場料も取らず、ライティングの準備も全てボランティアで行っているその心意気には尊さを感じた。
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