【あの一言】
山川龍雄の発言まとめ
解説・米国テスラ・従業員10%削減・好調から一転・苦戦の原因は? テスラの営業利益率というのは2022年の初頭あたりは20%に達する勢いだったが、これは自動車業界としては驚異的な数字だった。今は8%程度で普通の会社になった。テスラの主要市場というのは中国と米国で、中国では地場メーカーとの価格競争に負けつつある。一方、米国ではEVの市場そのものが踊り場に来ていて、市場が縮小しており苦戦している状況。今、ヨーロッパと米国はEVの補助金を削減する方向に動いており、これがトランプ政権になると、さらにEVの補助が削られ、テスラはもっと苦戦する可能性がある。日本勢にとっては少し時間が稼げる状態になったと言え、その間にEVの態勢を整えることが大事。
2024/04/16 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
特集・どこまで続く?・米国利上げの行方 逆イールドというのは例えば、2年ものの債券の利回りが10年ものの債券の利回りを上回る状態をいう。逆イールドが発生すると、その後すぐに大企業・中堅企業向けの貸し出しスタンスが非常に厳しくなっていく。過去にはITバブルの崩壊だとか、リーマンショックなどいろんな金融危機が起きている。
2023/04/15 BSテレ東[日経プラス9サタデー]
<山川キャスターの視点>英国・TPP加盟で米中どうなる? TPPの中にもマレーシアやシンガポールのように、中国の加盟に前向きな国もある中で、特に中国の加盟を阻止するという意味では英国が先に加盟したというのは大きい。(中国の加盟に)反対するのは日本、豪州だがこれに、英国も加わることになる。事実上、中国のTPP加盟はなくなったとみていい。民主党の支持基盤である労働組合がTPPの参加に明確に反対しているので、米国が加入へ動く可能性は当面ない。中長期的に見れば米国のスタンスが変わる可能性は十分にある。
2023/03/30 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
<山川キャスターの視点>国産ジェット明暗分けたのは? 結局、出発点の違いが大きく影響した。ホンダは市場が大きい米国に拠点を構えた。それに対し三菱は国産ジェットというこだわりがあったので拠点を愛知県に構えたが、型式証明を得る作業に手間取った。こうした作業に慣れていない日本は国土交通省当局までばたついてしまい、損失がふくらんだ。外国の人たちと一緒になって、連携して作るというのが今のスタイルだが、そこが足りていなかった。
2023/02/16 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
<特集>ウクライナ侵攻・今後の展開と米国の思惑 かなり米国のペースになっているのではないか。米国にとってウクライナが代理戦争してくれている状態でロシア側はじわじわと弱体化していく。制裁を強めれば強めるほど、軍需産業のところの株価が上がっている。S&Pの平均が下がる中でこれだけ支援をしている軍需産業の株価は上がっている。なおかつエネルギー制裁でも欧州が米国エネルギー産業を頼るようになる。
2022/05/25 BSテレ東[日経ニュースプラス9]
IMF・日本賃金上昇カギ・「官製春闘」だけでは… 春闘賃上げ率は安倍政権になって途中で口先介入をやって官製春闘になった。平均して見ると官製春闘の方が賃上げ率は高い。今年も岸田政権が経済団体に要望を出しているのでかなり低かった去年よりは上がるのではないか。ただ、口先介入だけでは限界がある。IMFは「生産性の向上が伴った賃上げでないと持続性がない」としている。つまり「成長なくして分配なし」ということ。仕入れ価格が上がっているのに応じて販売価格に転嫁させようという意識が強まっているが、このままいけばコストプッシュ型のインフレになる可能性がある。賃上げ上昇を伴わないと家計が圧迫されて、消費の減退につながってしまう。そこが心配なのでIMFも賃上げを強調している。そこに警鐘を鳴らす意味もある。
2022/01/28 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
北朝鮮3回目のミサイル・日本の防衛システムの課題 北朝鮮は日本からすると迎撃が難しいミサイル実験をやっている。今のところ、迎撃は不可能である。そのため、電磁力で飛ばすレールガンなどという新しい迎撃ミサイルの話が出てきているが、実はこれは米国が断念したもので、日本で実用化できるかどうかは不透明。本命として専門家は敵基地攻撃能力、つまり反撃能力をつけて抑止力をつけることを推している。参院選までは政治的にこれを封印し、ことし後半に、国民的な議論になっていく可能性がある。
2022/01/14 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
金融引き締め“前向き”発言・その背景と影響 FRB・ブレイナード理事というと、金融の引き締めに対しては慎重派で、いわゆるハト派。そういう人が「物価上昇率を目標値まで引き下げることにコミットしている」とか、「われわれは強力な手段を持っている」などと、かなりタカ派的発言をしたことからFRBの新体制は想定以上に引き締めに走るのではないかという警戒感が広がった。政治的な側面もあり、ブレイナード理事を副議長に選んだバイデン政権の政治的な意図を汲みとった。バイデン大統領が今年秋の中間選挙で不利なのは特にガソリン価格、住宅価格が上がっていること。そこをなんとかしたいと考えている。そういう中でパウエルとブレイナードの組み合わせというのが想定以上に利上げに走るのではないかという懸念が浮上している。それが世界経済の状況も踏まえた合理的な選択であれば問題はないが、政治的な意図が入るのだとすれば国内は大丈夫でも他国が迷惑することになる。
2022/01/14 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
<山川キャスターの視点>「中国の民主」は本物か 中国政府が出した白書「中国の民主」では「民主主義と専制は矛盾しない。ごく少数のものを叩くのは大多数の人々を守るためだ」と書いてあるが、これは香港の民主派リーダーを弾圧していることについて正当化しているかのようにも見える。
2021/12/18 テレビ東京[ ワールドビジネスサテライト]
岸田政権の布陣・ワクチン確保へ万全か ワクチン確保の体制は菅前総理、河野前ワクチン担当大臣から岸田総理、堀内ワクチン担当大臣に代わったが、その過程でワクチンの交渉パワーが低下したのではないかと気になっている。週明けに岸田総理が3回目のワクチン接種の前倒しを発表すると思うが、これまで躊躇していた一番の理由はワクチンの在庫の確保が万全ではないから。高齢者も職域接種も良しとした場合に足りなくなる可能性がある。前回も職域接種の途中で足りなくなったが、それを気にしている。一番気にする必要があるのはオミクロン対応の新しいワクチンが出た時に100日後には出荷できるとは言っているが、日本がいつ確保できるかは定かでないこと。ここはトップ交渉に尽きる。
2021/12/03 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
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