【あの一言】
國分良成の発言まとめ
中国・権力集中に落とし穴は 基本的には習近平の個人的な独裁傾向がますます出てきている。そうすると周りは皆、忖度した形の政治になる。中国は世界においてこれだけ大きな国になっているのに中のことが見えない。いろいろなことを言うが、実際には言っていることと、やっていることが違う。台湾問題はあるし、経済の問題もあるが、米国は中国を変えることはできないという判断になっている。今後、米中の冷戦的な傾向が強まるだろう。
2022/10/30 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
中国・権力集中に落とし穴は 台湾問題が相当クローズアップされて、中国も後戻り出来ない状況になってきている。従来は「非平和的方式」という言葉を使っていたのに今回、「武力」という言葉を明確に使った。これまで台湾問題というのは中国と台湾の問題であり、台湾がどういう態度に出るのかという目で見ていた。ところが台湾問題が、米中関係全体における最も大きなテーマになってきて、問題が世界に広がっている。米国の議会で台湾政策法案をやっているが、これは実質的に2つの中国政策というべきもので、台湾ともっと(米国は)付き合っていくべきという法案。バイデンがどう出るかにもよるが、これが認められれば、中国とは抜き差しならぬことになるかもしれない。ウクライナの問題と似ていて、プーチンが、ウクライナがNATOにとられてしまうという焦りを感じてウクライナに侵攻したのと同じような焦りみたいなものが危険なものになってくる。
2022/10/30 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
徹底分析・中国・北朝鮮・日本はどう向き合う 中国とロシアの距離感が出てきている。今回のウクライナ戦争で圧倒的な米国の強さというのを背後で見せつけられ、ロシアがこれほど弱いということにも中国は驚いた。中国の中でロシアの位置づけが弱国に変った。ロシアの経済力は中国の8分の1。この国とずっと付き合っていくのかを考えた時にあくまでも中国が関係を持ちたい国は米国しかない。
2022/09/18 NHK総合・東京[日曜討論]
<シリーズ・大中国の時代>〈2〉香港の次は台湾・海峡またぐ支配の橋 国民党は分裂気味であり勝てそうもない。多分民進党が強い。そうなると独立志向が強いから、中国側はそれを心配して色々やろうとするが、選挙に影響を与えようとやればやるほど台湾の住民の意識は反中になっていくのが現実。中国の大きな問題は一帯一路もそうだが、自分のやったことが全て歓迎して受け止められるという相手の考えに対する想像が足りないこと。
2022/02/02 BSテレ東[日経ニュースプラス9]
<シリーズ・大中国の時代>〈2〉香港の次は台湾・海峡またぐ支配の橋 橋を作るというのは互いの合意がないと出来ない。もしプラスに考えるなら、昨年の中国と台湾の貿易は史上最高と言われる。政治的には対立しているが、経済的には活況。そうすると“政治的には別だが、物資運搬用の橋があると良い”という使い方が出来るかもしれない。まだ少し様子を見たほうがいい。
2022/02/02 BSテレ東[日経ニュースプラス9]
前防衛大学校長・國分良成 クリントン政権はエンゲージメント関与政策にいった。最初は人権を掲げた。それは天安門事件の後に、ブッシュシニアが比較的早く中国との関係を回復したことがけしからんという理由で人権を強調した。その時、中国に対し人権をやらない限りは最恵国待遇を与えないということをやった。それでも1年半は人権外交をやり続けた。これに比べ、バイデン政権は少し早い。すでに台湾に動き出している。中国側からみると、バイデン政権の今の中国市場の現実というのは、米国に、ものすごく入り込んでいるわけで、米国企業でも中国に入りたい企業はいくらでもある。例えばデジタル人民元の問題が出ているが、ドルの優位性を保つために米国の金融機関に入ってもらった方がいいという議論も有り得るし、テスラとかEVなどの話もある。このあたりの経済と政治のバランス、米国経済の回復を中国は見ている。
2021/10/24 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
前防衛大学校長・國分良成 戦わないで勝つための準備を一つ一つ積み重ねているのが中国。台湾の内部は比較的静かであり、蔡英文総統も現状維持だとしている。台湾問題は1950年代はアイゼンハワー政権が核兵器を使って、中国を潰すことを考えたぐらいにぶっかった。米国と台湾の間では相互防衛条約のようなものが50年代にできた。条約の中に含まれていない小さな島をやっていいのかどうかをチェックするなどしていた。ひとことで言うと(台湾問題の)全ては米中関係が根幹にあり、本質はここにある。
2021/10/24 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
前防衛大学校長・國分良成 最近の中国の問題は、一つ一つで見てはいけない。台湾とか恒大集団だとかいろんな問題が起こっているが、これらは全部一つに繋がっている。それは来年の党大会、来年の20回目の共産党大会で習近平が(総書記)3期目に入る。ここへの権力固めと意思を示している。
2021/10/24 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
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