【あの一言】
過去最大…株価が乱高下“円安バブル”が崩壊?
寺島実郎 「円キャリーの巻き戻し」という表現が今、報道等で使われているが、異様に金利の安い日本でお金を借りて金利の高い米国で運用できれば結構であり、利ざやを稼ぐ流れがわーっと来ていたが米国経済への不安だとか、日本がついに金利上げを始める兆候が出てきて、過剰反応が出てきた。アルゴリズムで高速取引をやっているから、売りが売りを呼ぶような構造の中で一気に崩れてしまった。今度はまた逆に反転して乱高下するなど、この不安定な構造というものをよく見つめて考えなきゃいけない。マネーゲームが経済なのではなく、産業だとか技術だとか雇用、額に汗して働くことをじっくり見つめて議論しないといけない。株価の話と為替の話の報道だけが経済だと思い始めているメディアの状況も問題。
2024/08/11 TBSテレビ[サンデーモーニング]
寺島実郎 かつて「株価というのは経済の体温だ」という表現があった。ところが今はそんなのどかな時代ではない。今21世紀の世界の資本主義の最大の苦悩は金融不安というのを内在させたまま走ってしまっていること。ウォールストリートの懲りない人々っていう言い方があるが、マネーゲームが極端に肥大化してきている。金融資本主義というものが異様なほど膨らんできていて、例えば世界全体の実体経済、実質GDPの相場は約105兆ドルぐらいと言われているが、株価と債権の総額だけでもその5倍を超そうとしている。さらに言うならば金融派生型商品という広いカテゴリーでビットコイン的なものも含めてものすごい勢いで金融の部分だけが膨らんでいる。
2024/08/11 TBSテレビ[サンデーモーニング]
報道1930キャスター編集長・松原耕二 今回、大規模緩和の10年というのが根っこにある。大規模緩和に関わった日銀の元理事の方の中に当時、「失敗することは分かっていたけど、やるしかなかった」と今になって言っている方がいる。当時を思い出すと安倍さんが大規模、大胆な緩和を打ち出して選挙で勝ち、円高に苦しんでいた経済界もこれを大歓迎した。メディアもそれを後押しした。だから日銀はそれに逆らうわけにいかないということを言っていた。これが長い間続いてしまった。
2024/08/11 TBSテレビ[サンデーモーニング]
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