【あの一言】
震災13年・廃炉の遠い道のり“原発回帰”強める岸田政権
寺島実郎 日本では未だに100万キロワットレベルの軽水炉の原発を安全であれば再稼働、場合によっては輸出にも協力するみたいな流れで話をしているが、今、世界の原子力の動向を見ていると技術の進化がものすごい。例えば米国などでは安全性を担保した小型原発の方にどんどん研究開発が動いている。核融合などにしてもどんどん新しい動きが出ている。日本では反原発というところで躍起になっているうちに大学も縮小され、いつの間にか原子力工学に立ち向かう若い人達がいなくなってしまった。技術基盤をどうするのかという話になっている。今この瞬間にも日本は化石燃料に依存しており皮肉にも昨年も日本のLNGの1割近くをロシアに依存している。
2024/03/10 TBSテレビ[サンデーモーニング]
松原耕二 原発事故の翌年に当時の民主党政権が2030年代の「原発ゼロ」を打ち出したが、米国はいい顔をしなかった。日本は核燃料サイクルで核保有国でもないのにプルトニウムの保有を例外的に認められている国。今も敷地内に5000発以上のプルトニウムを保有している。これを認めているのが実は米国。つまり日本の原子力政策というのはそもそも米国と協定を結ぶことで成り立ってきた。逆に言えば日本単独では決められない。米国はスリーマイル島の事故を起こし原子力産業が衰退し、日本の技術に頼らざるを得ない状況で、日本に原発をやめてもらっては困る。その上、中国・ロシアがものすごい勢いで最先端の原発をやっており、米国は安全保障上も日本に原発をやめてもらっては困るということ。
2024/03/10 TBSテレビ[サンデーモーニング]
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