【あの一言】
カタールのLNG・どこが輸入できるのか
JOGMEC調査役・原田大輔 (カタールとの長期契約を更新しなかった理由として)世界の「脱炭素」の潮流がピークに達していた時期ということもあって企業に対してもコンプライアンスが求められていた。そうした中で今後20年、30年にわたり炭素を出すエネルギー源を使っていくのかということがあった。原子力発電の再稼働ということも議論になり550万トンという長期契約を結ぶかどうかが議論になった。
2022/11/21 BS-TBS[報道1930]
国際情報誌「フォーサイト」元編集長・堤伸輔 これから再生可能エネルギーに切り替えていく中で何がつなぎの役割を果たすかといえば化石燃料の中では天然ガスしかない。確かにスポット価格が安くなる時もあるが、この先奪い合いになるということが専門の事業者ならわかるはずであり、先の見込みの甘さが露呈した。
2022/11/21 BS-TBS[報道1930]
番組アナウンサー 1997年から始まったカタールとの長期契約では、あわせて年間550万トンのLNG液化天然ガスが日本に運ばれてきた(日本の総輸入量の7.4%)。しかし、JERAは、去年11月この大型契約を更新しなかった。この理由について「20年以上の長期契約を求められること」、「他国へ転売できない仕向地条件があったこと」が大きい。日本が調達していた分は、中国やEUに供給されるようになった。
2022/11/21 BS-TBS[報道1930]
立教大学教授・蓮見雄 今回のガス価格高騰はウクライナ戦争が起きる前から始まっている。一番大きな問題が「脱炭素」であり、欧州はグリーンニューディールという形で打ち出し、世界的にそういう流れができていた。しかしながら本当にこれができるかどうかは絵に描いた餅の状態だった。日本の判断は長期にわたってガス価格が安定し、世界的にも「脱炭素」が進むという流れに乗った判断だったが、欧州以上に再生可能エネルギーの発展が遅れていることを考えればLNGの長期契約は、死守すべきだった。
2022/11/21 BS-TBS[報道1930]
エネルギー調査会社「VORTEXA」・フェリックスブース(VTR) これまで欧州のLNGの輸入能力、キャパシティーは限られていたが、来年はそのキャパが大幅に改善される。さらに来年から中国が買い手になると予想されている。その2つの原因で来年の夏から日本のLNGの購入はさらに難しくなる。
2022/11/21 BS-TBS[報道1930]
エネルギー調査会社「VORTEXA」・フェリックスブース(VTR) カタールから日本への輸入量は全体の11~12%程度だが、今年は4%にまで減少した。中東から東アジアに向かう船の最新情報が見られるが、ここで最大のポイントはほとんどの船が日本に向かっておらず、中国・韓国・台湾に向かっていることだ。カタールから中国と欧州への輸出の増加分を見てみると日本が輸入していた量と同じだ。日本から失われた量の50%が欧州に50%が中国に行ったということになる。
2022/11/21 BS-TBS[報道1930]
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