【あの一言】
米国・バイデン大統領来日・インド太平洋・外交・安保は
東京大学准教授・佐橋亮 米国とアジアをつなぐカタリストの役割というのが日本には相当ある。米国も中国もどんどん産業政策に走り、自由貿易をいうのは日本の役割。バイデン政権は今年、中間選挙があり、かなり厳しいと言われている。残り2年間、米国は大変な政治状況になってくる。だからこそ日本にこの地域を引っ張っていく責任がくると考えておいた方がいい。
2022/05/22 NHK総合・東京[日曜討論]
学習院大学教授・江藤名保子 中国としては東南アジアにおいて経済的な勢力圏を米国と中国の間で奪い合っているようなイメージを持っている。中国としては米国との競争はしつつ、経済的に一帯一路を含んでいる地域との連携を強めることで経済的な発展を維持し続け、米国との競争に勝つというプランニングをしている。他方で、東南アジアも必ずしもIPEFに前向きではない部分もあり、この勢力抗争の中でさらに自分達の方に引き寄せられる国は当然あると考えているので、現時点ではIPEFそのものについてはさほどの危機感は持っていない。
2022/05/22 NHK総合・東京[日曜討論]
神田外語大学教授・阪田恭代 IPEFは問題もあると指摘されているが、米韓にとっても賢い一手だった。韓国・尹政権ははっきりと参加すると言っている。米国に言われたからでなく、国益にとって有用と思い参加している。バイデン大統領とサムソンの半導体工場に行き「半導体と技術の同盟だ」とのメッセージを米韓両国で出している。尹政権と前政権の違いは経済安全保障という言葉を韓国がようやく使うようになったこと。安全保障とか戦略的な意味をIPEFに見出している。そこには米国主導の枠組みに入った方が有利であるとの判断がある。韓国はTPPに入っていないし、クアッドにも議論がある。最初から参加国になれるIPEFのおかげで、クアッドやTPPに関するジレンマから韓国は解放された。
2022/05/22 NHK総合・東京[日曜討論]
学習院大学教授・江藤名保子 拡大抑止の議論が広がった要因はロシアのウクライナ侵攻。ロシアが持っている核の抑止力が米国に対して効いてしまった。台湾に翻り反映された場合、中国としては核の抑止として使えるのではないかと考え、検討しているのではないか。
2022/05/22 NHK総合・東京[日曜討論]
キヤノングローバル戦略研究所主幹・宮家邦彦 短期的にはウクライナ対応というのも大事だが、中長期的に考えた場合、3つの重要なポイントがある。ウクライナの戦争があったにも関わらず米国の戦略的優先順位はインド太平洋地域であるということをしっかりと示したことが非常に重要。2つ目はインド太平洋地域で韓国・オーストラリアで政権が変わった。こういうインド太平洋地域の政治状況が変わっている時にこそ方向性を決めていくという意味では極めて重要な首脳会談となる。3番目は日本が場を提供するだけでなく新しい国際秩序作りに主導的役割を果たしうるという意味において非常にいい機会。
2022/05/22 NHK総合・東京[日曜討論]
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