【あの一言】
元首相の積極発言で…
元外務審議官・田中均 日本有事というのは特殊な言葉。日米安保条約で極東有事と日本有事がある。つまり5条事態と6条事態。6条事態というのは米国が極東の安全のために行動するという概念。ところが5条事態というのは日本が攻撃を受けた時に日本と米国が共同で日本防衛にあたる概念。日本有事と即言われるとまさに台湾に中国が軍事行動をとった途端にこれは日本有事だということになり、日本と米国が共同して防衛にあたるという概念になってしまう。例えば米国の台湾関係法の中でも米国は曖昧戦略をとって軍事的行動をとると言い切っていない。米国が曖昧に済ませてきたのには理由があり、台湾が独立の方向に向けて舵を切ると中国が軍事的な行動をとり戦争を招いてしまうリスクがあるから。だから曖昧にしてきたにも関わらず日本が米国と一緒に行動するんだという概念を言うことは考えられないこと。要するに台湾に中国が攻撃したら日本も戦争するんだということを言っているに等しい。そういう根拠は日本国の法律の中にはない。こうしたことを元総理が言うのは行きすぎ。
2021/12/22 BS-TBS[報道1930]
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