【あの一言】
84パーセントが再エネの国デンマーク
堤伸輔 2011年の福島原発の事故があったときに日本は大きくかじを切るチャンスだった。ところがむしろ逆方向に行っている。例えば、中東のアブダビに世界最大級のメガソーラーを造る、あの大プロジェクトを落札したのは日本の商社で、そこにお金を出しているのは日本のメガバンクだった。ところが、その世界最大級300万枚という太陽光パネルはどこのメーカーが作っているかというと中国のメーカーが作っている。日本が2011年に再エネに舵を切り、太陽光パネルの競争力をつけていれば日本が出した金で世界最大のメガソーラーに日本の太陽光パネルを付けることもできたはず。日本はただ融資するだけで、結局それは他国の稼ぎになってしまった。既得権益の壁、それから送電網もそういう既得権益の中で守られていて、自由に使えないという日本の問題がある。9社の電力体制は日本の経済成長を支えるのに必要だったが、逆に今では最大の既得権益の壁となっている。
2021/10/27 BS-TBS[報道1930]
自然エネルギー財団事業局長・大林ミカ 世代間の問題、あと社会の仕組みの問題、経済の仕組みの問題、既得権益の方々の産業がまだ日本の社会の中では力を持っているのでなかなか転換しないということがある。欧州の議論の中では気候危機を語るときに「ジャストトランジション」という、公正な移行という議論があるが、これは経済でダメージを受けるところの人々に再トレーニングを行い、誰一人取り残さずに再エネの産業に移行させていくという概念。日本ではそういった雇用の転換、エネルギーの中身の転換の議論が遅れている。
2021/10/27 BS-TBS[報道1930]
気候変動イニシアティブ代表・末吉竹二郎 デンマークのエネルギー会社・オーステッドの今の現在の時価総額は約6.8兆円。もともと化石燃料の会社だったが、今では完全に再エネの会社に転換した。一方、沖縄から北海道まで全部を入れた日本の電力10社の合計は4.2兆円で、デンマークのオーステッド1社の時価総額にも及ばない。
2021/10/27 BS-TBS[報道1930]
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