【あの一言】
前防衛大学校長・國分良成
前防衛大学校長・國分良成 クリントン政権はエンゲージメント関与政策にいった。最初は人権を掲げた。それは天安門事件の後に、ブッシュシニアが比較的早く中国との関係を回復したことがけしからんという理由で人権を強調した。その時、中国に対し人権をやらない限りは最恵国待遇を与えないということをやった。それでも1年半は人権外交をやり続けた。これに比べ、バイデン政権は少し早い。すでに台湾に動き出している。中国側からみると、バイデン政権の今の中国市場の現実というのは、米国に、ものすごく入り込んでいるわけで、米国企業でも中国に入りたい企業はいくらでもある。例えばデジタル人民元の問題が出ているが、ドルの優位性を保つために米国の金融機関に入ってもらった方がいいという議論も有り得るし、テスラとかEVなどの話もある。このあたりの経済と政治のバランス、米国経済の回復を中国は見ている。
2021/10/24 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
前防衛大学校長・國分良成 最近の中国の問題は、一つ一つで見てはいけない。台湾とか恒大集団だとかいろんな問題が起こっているが、これらは全部一つに繋がっている。それは来年の党大会、来年の20回目の共産党大会で習近平が(総書記)3期目に入る。ここへの権力固めと意思を示している。
2021/10/24 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
前防衛大学校長・國分良成 戦わないで勝つための準備を一つ一つ積み重ねているのが中国。台湾の内部は比較的静かであり、蔡英文総統も現状維持だとしている。台湾問題は1950年代はアイゼンハワー政権が核兵器を使って、中国を潰すことを考えたぐらいにぶっかった。米国と台湾の間では相互防衛条約のようなものが50年代にできた。条約の中に含まれていない小さな島をやっていいのかどうかをチェックするなどしていた。ひとことで言うと(台湾問題の)全ては米中関係が根幹にあり、本質はここにある。
2021/10/24 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
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