【あの一言】
<ニュースの本質に向き合う“時事論考”>習近平国家主席の戦略と「父親の失脚」の過去
番組アナウンサー 今月6日、国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官・キャンベルは「我々の希望はある程度の中国との共存を見つけること」「台湾の独立を支持しない」と発言した。さらに10月にイタリアで予定されているG20首脳会議を念頭に米中首脳会談の開催も示唆した。
2021/07/18 BS朝日[BS朝日 日曜スクープ]
野村総合研究所エグゼクティブエコノミスト・木内登英 習近平国家主席は今、産業の統制を強化しようとしている。例えば生産性や収益性というものが国営企業は相対的に低く、民営企業の方が高いのに、民営企業の働きを抑える一方で、国営企業を盛り立てていくという流れになっている。その背景には共産党の指導力でここまで来たと信じているということと、米国から攻められているので、自力更生を進めようとしていることがある。そういうことをすることが中国経済にとってプラスになるかは疑問で、民間のイノベーションを損ねてしまうと、今までの中国の強みがなくなってしまい、結局中国経済にとってもマイナスとなる。そうすると、世界経済にとってもマイナス。
2021/07/18 BS朝日[BS朝日 日曜スクープ]
中国問題グローバル研究所所長・遠藤誉 米国は対中包囲網の強硬派というトーンをどんどん和らげている。「6年以内に中国が台湾を武力攻撃するだろう」と言っていたことも軍の高官が取り下げ、「2年以内には何も起きないだろう」ということまで言っている。今度はキャンベルが「台湾の独立は支持しない」ということまで言った。あくまでもこれまでの強硬姿勢というのはG7までであって、今後は米中首脳会談をなんとしても開きたいと米国は考え、米ロ首脳会談を開いた直後に習近平との首脳会談を行うと言い始めている。キャンベル発言はあくまでも習近平・バイデンの首脳会談を可能ならしめるための地ならしといえる。
2021/07/18 BS朝日[BS朝日 日曜スクープ]
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