【あの一言】
第5回・AI戦争・果てなき恐怖
番組ナレーション サイバー空間を介する攻撃が中心的役割を果たすのが未来の戦争であり、従来の枠組みに入らないグレーゾーン戦争と呼ばれている。この戦争で大きな役割を果たすのがAI。人間をはるかに凌駕するハッキング能力でサイバー攻撃を仕掛けることができる。従来の戦争のように武力を行使することなく、様々な手段で相手国の機能を麻痺させ支配下に置く。
2021/07/11 NHK総合・東京[NHKスペシャル 2030 未来への分岐点]
国連軍縮部門トップ・中満泉事務次長 国連のグテレス事務総長が、「仮に第三次世界大戦があるとすれば、サイバー攻撃から始まる」と言っている。(サイバー攻撃は)向こう5年10年、私たちの国際関係・国際協力の中でも重要な課題のひとつとなっている。
2021/07/11 NHK総合・東京[NHKスペシャル 2030 未来への分岐点]
元米国空軍高官・ウィルローパー 私が恐れているのはAIの自律型兵器で、今は数千ドルで作ることができる。多くの国がこれを持てば抑止力は大きく揺らぐことになる。
2021/07/11 NHK総合・東京[NHKスペシャル 2030 未来への分岐点]
番組ナレーション 人間の判断を介さず自律的に攻撃するAI兵器は大国が本格的な運用を開始する2030年が大きなターニングポイントとなる。ロシアは2030年までに地上戦を担えるロボット部隊の創設を発表し、中国は同じく2030年に「AIの軍事利用で世界の頂点に立つ」と宣言した。
2021/07/11 NHK総合・東京[NHKスペシャル 2030 未来への分岐点]
トルコ防衛産業庁・イスマエルデミル長官(VTR) これから本当の強さは未来のテクノロジーにある。AI(兵器)をいかに使いこなせるかで世界のパワーバランスが決まる時代に入った。
2021/07/11 NHK総合・東京[NHKスペシャル 2030 未来への分岐点]
番組ナレーション アゼルバイジャンのAIドローン戦略はこれまでの紛争の構図を一変させた。アゼルバイジャンはアルメニアの3倍の国防費をかけ、最新の軍事ドローンを調達し、およそ30年ぶりに係争地の一部を奪還した。アゼルバイジャンのAI兵器はアルメニア軍の戦車や大砲を見つけ出すとピンポイントで攻撃、戦車や軍事トラックなど450台以上を破壊し、塹壕に身を潜める兵士や、戦闘の準備を行っていた兵士を次々と攻撃し犠牲者は2700人に上った。自爆ドローンが敵の識別に利用していたのが日常生活に欠かせなくなったスマートフォン。AIを搭載した自爆ドローンは、敵のレーダーやスマートフォンの通信電波を探知するとAIが位置情報や距離などを正確に割り出していた。
2021/07/11 NHK総合・東京[NHKスペシャル 2030 未来への分岐点]
番組ナレーション 自動で敵を識別し、自律的に攻撃を行うAI兵器は今各国が開発を急いでいる。去年、ロシア国防省が開いた世界最大級の軍事見本市にはコロナ禍にもかかわらず、1500社が参加し、国内外から多くの軍関係者が集まった。会場でひときわ注目を集めたのがAIが自律的に自爆攻撃を仕掛ける新型のドローン兵器、通称「カミカゼ」だ。価格は明らかにされていないが、ピンポイントで攻撃ができる巡航ミサイルの100分の1以下とみられている。キラーロボットと呼ばれるAI兵器は既に世界の紛争の主戦力になり始めている。
2021/07/11 NHK総合・東京[NHK総合・東京 NHKスペシャル 2030 未来への分岐点]
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