【あの一言】
東芝議長ら異例の再任否決
早稲田大学ビジネススクール・入山章栄教授 東芝の問題は、オーバーハングという問題もある。物言う株主がいっぱい株を持ってしまうと株価が上がらなくなる。ファンドの性格上、いつかは株を売るので、売ることを他の投資家が期待してしまう。大量に売られたら株価が下がるため買えないという状態になり、潜在力以上に株価が低迷してしまった。株価が上がらないと、物言う株主ファンドは抜けられず、株価が上がらない代わりに東芝は配当をたくさん要求された。成長のために回すお金が配当に回さざるを得ないという悪循環になった。
2021/06/25 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
早稲田大学ビジネススクール・入山章栄教授 東芝の問題は非常に複雑。2つの致命的ミスがあった。ひとつは、経済安全保障制度の甘さ。東芝は民間企業で上場企業であるが、一方で原発や量子暗号といった国防に関わる技術を持っている。切り売りされてそういった技術が海外に流れることもあり得るので国が守らなければいけない。米国であれば政府が介入して絶対にやらせないことだが、日本はその辺の規制が先進国で一番甘い。市場原理を考えると株主の存在は無視できないが、国家安全保障を考えると国がある程度守る必要があって、その辺のスタンスが日本は、はっきりしていない。はっきりしていないから経済産業省と東芝が議論せざるを得なくなり、それが投資家から見ると、癒着しているように見えた。ここは国がスタンスを明確にするべき。
2021/06/25 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
早稲田大学ビジネススクール・入山章栄教授 東芝の問題は非常に複雑。2つの致命的ミスがあった。ひとつは上場維持で「物言う株主」が台頭してしまったこと。2017年、東芝が経営危機だった時に上場をどうしても維持したいということで、当時の経営陣・綱川社長が6000億の資金を外から得るために、物言う株主・アクティビストファンドみたいなものを大量に受け入れてしまい、全体の株主の過半数に近いぐらいになってしまった。そうなると新規事業がやりづらくなる。東芝というのはすごい技術のある会社で、現場の社員も頑張っているし執行役員の方も頑張っているが、そういうところが成果を出すまでには時間がかかる。物言う株主はなるべく短期で成果を上げたいため、ここに齟齬が生じた。
2021/06/25 テレビ東京[ワールドビジネスサテライト]
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