【あの一言】
憲法改正と緊急事態条項
弁護士・元大阪府知事・元大阪市長・橋下徹 緊急事態条項を政治家に渡していいかどうかの判断は、その政治権力が国民の権利と自由を徹底的に守る姿勢が見せない限り難しい。今の政治権力は少なくとも国民をギリギリまで守る姿勢が見えない。税情報を使い計算することすらやらない。最初は支援金も給付金も出さないと言っていた。こういう政権与党に緊急事態条項の権限を渡してしまったら支援金ゼロで、権利はばんばん制限するなどのやりたい放題になる。さらに自民党の案では、緊急事態には選挙をしないで任期を延長するという項目が入っている。これらを合わせ技で使うと選挙もやらずに、特定の政権与党がずっと権力を握ったままやりたい放題にするということもあり得る。
2021/05/17 BSフジ[プライムニュース]
自民党幹事長代理・柴山昌彦 コロナでどこまでの私権制限が許されるかという問題と、通常の統治プロセスに目詰まりが生じた時に迅速な方法を模索するという緊急事態条項の話は違う。コロナ禍だからといって短絡視すべきではないが、例えば南海トラフの大地震とか、外部からの武力攻撃などの有事がないとは限らない。フランスやドイツではそういう時に備えた緊急事態条項というのは持っている。これに倣ってもいい。
2021/05/17 BSフジ[プライムニュース]
日本共産党書記局長・小池晃 新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言と憲法に緊急事態条項を持ち込むことを混同している人が多いが、全く違う。安倍前総理自身が5月3日の憲法記念日にインタビューで「緊急事態に対応するために憲法を変えないといけない」というようなことを言っている。私権制限が一定程度必要というのは、(前提として)憲法の歯止めがあるからで、憲法の下で私権制限をすることで人権侵害の暴走を止めることができる。これを法律の枠内でやっていくことは感染症対策として必要だという意味。緊急事態条項は憲法的な規定を外してしまおうというものであり、無憲法状態を作り出すということにつながる。そういう意味で全然違う問題。
2021/05/17 BSフジ[プライムニュース]
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