長電バス、従業員の一日は点呼から始まる。
アルコールの検査や健康状態など１０項目を確認。
軽井沢町で起きたスキーバス事故から５年、安全意識の強化を高めてきた。
長電バス・貸切バス部・若林部長は「安全安心を頭の中心に業務をしてきた。とにかく事故を起こさないという強い意志で今まで取り組んできた」。
２０１６年１月、東京から県内のスキー場に向かっていたツアーバスが道路脇の崖下に転落。
大学生など１５人が死亡、２６人が重軽傷を負う。
事故現場の１キロ手前のバスの映像を紹介。
バスは時速９６キロで走行、カーブを曲がりきれずガードレールに接触したあと転落したとみられる。
事故後の調査で死亡した運転手が運転操作を誤ったと断定。
国土交通省による監査では運転士は健康診断を受けていなかったことや法律で定められていた下限割れ運賃で運行していたなどずさんな安全管理が浮き彫りとなる。
遺族の会・田原代表は「悲惨な事故を二度と起こしたくない、そうするには何をすればいいのかを弁護団と連携しながら関係各位に投げかけていきたい」。
１．１５サクラソウの会は事故の再発防止に向けて国との意見交換を重ねる。
国土交通省は再発防止策としてバスへのドライブレコーダーの設置を義務化や違反した場合の罰則を強化するなど８５項目を策定。
巡回指導なども進めてきた。
長電バスではドライブレコーダーのカメラを４つ設置。
軽井沢のバス事故は運転手の大型バスの運転経験が浅かったことも要因の一つとされている。
長電バスでは運転手になると２０時間の実習を行う。
その後路線バスを運転、高速バス、貸切バスへと移っていく。
若林部長は「コロナで非常に大きな収入の激減となっている。安全が最優先という方針で毎日努力を惜しむことなく取り組んでいる状況」。
業界の一部には課題も残っている。
２５３４のバス会社営業所のうち４２９件が運行などで違反があったとして行政処分を受けている。
国交相は「監査を重ねて再発防止につなげていきたい」。
軽井沢町の映像。
映像提供：国土交通省。