ウィーン支局・禰津博人支局長に聞く。
ファーウェイの排除を意図したとみられる米国との合意文書にサインしたセルビアだが、合意のわずか１０日後にセルビアにファーウェイの開発センターがオープンし、そこにセルビアのブルナビッチ首相も出席した。
セルビア政府はどう動こうとしているのか、まさに開所式でセルビアのブルナビッチ首相も報道陣からこの件を聞かれていた。
セルビアのブルナビッチ首相は「５Ｇの入札はオープンに行い、特定の国への差別は行わない」として、中国やファーウェイへの配慮をみせる一方で、「米国との合意に違反はさせない」とも答えていて、米中を意識した苦しい立場をにじませていた。
バルカン情勢に詳しい専門家・ブクサノビッチは「セルビア首脳部の狙いは米国に近づくことだが、こうした戦略には代償を伴うことになる。５Ｇで（中国と）協力すれば米国の監視が厳しくなり、（中国との）関係が終了するかもしれない」と指摘している。
セルビアは、すでに中国との間では経済面や政治面で深い協力関係があるだけに、中国側との関係見直しを迫る米国の圧力とどう向き合うのか、難しい外交が要求されそうだ。
（中継）ウィーン。