駐バングラデシュ中国大使は10日、バングラデシュが米日豪印で構成される緩やかな安全保障の枠組み「クアッド」に参加すれば中国との二国間関係に深刻な打撃を及ぼすと警告した。
インドのニュース専門チャンネル
『NDTV』によると、中国の李極明(り・きょくめい)駐バングラデシュ大使は10日、バングラデシュが反中国の「クラブ」に参加することは、二国間関係に深刻な打撃を与えると述べ、バングラデシュに対し四カ国同盟に参加しないよう警告した。
この異例の警告は、数週間前に中国の魏鳳和(ぎ・ほうか)国防相がバングラデシュのアブドゥル・ハミド大統領に対し、南アジアに「軍事同盟」を構築し、「覇権主義」を実践する地域外の大国に対して、中国政府とバングラデシュ政府が共同で努力すべきだと強調した数週間後に出された。...
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『NDTV』によると、中国の李極明(り・きょくめい)駐バングラデシュ大使は10日、バングラデシュが反中国の「クラブ」に参加することは、二国間関係に深刻な打撃を与えると述べ、バングラデシュに対し四カ国同盟に参加しないよう警告した。
この異例の警告は、数週間前に中国の魏鳳和(ぎ・ほうか)国防相がバングラデシュのアブドゥル・ハミド大統領に対し、南アジアに「軍事同盟」を構築し、「覇権主義」を実践する地域外の大国に対して、中国政府とバングラデシュ政府が共同で努力すべきだと強調した数週間後に出された。
米『エポックタイムズ』によると、バングラデシュのA.K.アブドゥル・モメン外相は11日の記者会見で、この警告に対し、「我々は独立した主権国家である。我々で自分たちの外交政策を決定する。どの国も自分の立場を守ることができる。しかし、我々は国民と国の利益を考慮して決定する」と述べた。外相はまた、中国大使の発言を「異例」で「攻撃的」だと表現し、「我々は中国がこのような態度を見せるとは思っていなかった。」と驚きを表した。また、同盟への参加の呼びかけは特に受けていないと述べ、中国大使がなぜ早まった発言をしたのか疑問に思っていると明かした。
元外交官で、現在は外交政策シンクタンク「ゲートウェイ・ハウス」の特別研究員であるラジブ・バティア氏は、インドのオンラインニュースサイト『ザ・プリント』に対し、中国はそれとなく探りを入れていると述べている。「クワッド諸国は、同盟国を無意味に拡大する計画はないことを明確に述べており、現在は独自のアジェンダの促進に焦点を合わせている。中国はそれをよく知っているが、それでも、インドとバングラデシュの緊密な関係をよく知っているので、インド・中国関係の中で、バングラデシュがどこに立っているかを見極めるためにそのようなコメントをしたのだろう」と説明している。
複数の情報筋によると、インド、日本、アメリカ、オーストラリアは、バングラデシュをインド太平洋地域の「キープレーヤー」と見なしているが、バングラデシュ政府がクアッドへの参加に「オープンではない」という事実を認識しているという。しかし、バングラデシュはベンガル湾に面していることから、経済面と接続性の面に限ってインド太平洋イニシアティブの「一部」になることに興味を示している。
インド紙『ザ・タイムズ・オブ・インディア』は、中国のインドに対する厳しい姿勢は2020年から際立つようになったと報じている。中国大使の今回の警告は、中国が自国の影響が及ぶ地域と見なしているインド太平洋に対し、クアッドを脅威と見なし、不満を持っていることを露わにしていると伝えている。
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