チリでは、全人口の3割がワクチン接種を終えたにもかかわらず、新規感染者数は過去最多を更新していた。有効性が低い中国製ワクチンや、ワクチンが普及したことで、規制が緩和され、人々も移動したためと考えられている。
4月15日付米国
『CNN』は「チリではワクチン接種拡大が迅速だったにもかかわらず、なぜ感染者急増が続くのか?」との見出しで以下のように報道している。
人口1900万人のチリでは、コロナ感染拡大の僅か1か月後に製薬会社と契約、いち早くワクチン接種が開始され、今年初頭までに、世界最高水準のワクチン接種率に達していた。14日時点での接種率は100人中38.94人で、イスラエル(61.58人)や英国(47.51人)に次ぐ多さだ。...
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4月15日付米国
『CNN』は「チリではワクチン接種拡大が迅速だったにもかかわらず、なぜ感染者急増が続くのか?」との見出しで以下のように報道している。
人口1900万人のチリでは、コロナ感染拡大の僅か1か月後に製薬会社と契約、いち早くワクチン接種が開始され、今年初頭までに、世界最高水準のワクチン接種率に達していた。14日時点での接種率は100人中38.94人で、イスラエル(61.58人)や英国(47.51人)に次ぐ多さだ。
それにもかかわらず、感染拡大は収まってはいない。先週には2日連続で、一日あたりの新規感染者が過去最高に達した(8日は8195人、9日は9171人)。今週には減少したものの、感染者が急増した12月のペースが続いていることになる。15日時点での累計感染者は110万人に迫り、累計死者数は2.5万人である。
保健当局や専門学者の意見では複数の要因が考えられるという。クリスマスや新年に人が集まったこと、学校や商店街を閉鎖しなかったこと、中国のシノバック(Sinovac)製のワクチンが期待されたほどの効果がみられなかったこと等が挙げられる。
1月は南半球では夏で、チリでは国内外の旅行シーズンとなり、誤ったメッセージを受け取った人々はコロナ感染リスクがなくなったと考え対策は緩和された。このため感染拡大が起きた。欧州など感染者が多い国に旅行した人も多く、これも感染急増につながった。
3月、当局は再び大きな対策に乗り出し、対面授業が再開していた学校も再び休校とし、スーパー等の焦点のみが営業を継続。130万人がロックダウン対象となったが強制措置ではなかったため、街に人はあふれていた。
政府はワクチン確保に積極的だったためワクチン普及には成功していたのだが、シノバックが開発したCoronaVacワクチンの有効性がブラジルの臨床試験でわずか50.4%だった。(トルコでは83.5%の有効性)シノファーム社(中国医薬集団)は2つのワクチンの有効性を70%以上としていた。
16日付『ロイター通信』は「ピークは越えた?ワクチンやロックダウンで状況回復に期待が高まるチリ」との見出しで以下のように報道している。
チリの保健当局は15日、ここ数週間感染者過去最高を記録していたコロナ第二派は、厳しいロックダウンや人口の3割に普及したワクチンの急速な拡大により、落ち着きを取り戻したと発表した。チリでは現在ワクチンの50%はファイザー社またはシノバック社の1回接種、32.7%は2回接種だとしている。同国では80%以上が厳しいロックダウン体制にあり、選挙も4月から5月に延期された。
世界で最もワクチン普及が早かった国として、ウィルスの有効性を見極めるためにも世界中がチリの状況に注目してきた。16日、世界で初めて、新型コロナウィルスに対し、ワクチンの有効性がいかなるものか、本物の実証データを発表する国の一つとなる。
第二派にワクチンやロックダウンが有効だとする意見は専門家でも二分している。保健当局のトップパウラ・ダサ氏は、ワクチンは感染率低下や高齢者入院患者数に有効性を示しているとしている。
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