バイデン米大統領は、選挙中の公約通り、トランプ元政権のエネルギー政策を転換し、連邦が管理する土地・水域における石油・天然ガスの新規採掘を停止するものと見られている。
1月26日付米国
『ワシントンポスト』は「水曜、バイデンが国有地での新規石油採掘停止へ」との見出しで以下のように報道している。
バイデン大統領は新規の石油、天然ガス採掘の一時停止義務付けに向けて調整を進めている。バイデン政権の大きな温暖化対策だが、石油業界からは大きな反発があるとみられている。一時停止には、現在採掘中のものは含んでおらず、西部の公有地やメキシコ湾では採掘が継続される。バイデン氏は、温室効果ガス削減計画や政府の方針決定に科学的根拠を盛り込む方針を示すとみられている。...
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1月26日付米国
『ワシントンポスト』は「水曜、バイデンが国有地での新規石油採掘停止へ」との見出しで以下のように報道している。
バイデン大統領は新規の石油、天然ガス採掘の一時停止義務付けに向けて調整を進めている。バイデン政権の大きな温暖化対策だが、石油業界からは大きな反発があるとみられている。一時停止には、現在採掘中のものは含んでおらず、西部の公有地やメキシコ湾では採掘が継続される。バイデン氏は、温室効果ガス削減計画や政府の方針決定に科学的根拠を盛り込む方針を示すとみられている。
別の施策としては、10年後に向けた連邦が管理する土地・水域の30%を保護することや、気候変動を国家の優先事項とすること等がある。採掘事業は昨年、81億ドルの税収に繋がっている。トランプは200以上の環境政策を廃止した。環境の専門家は、採掘禁止への転換により、国民に十分な国内の産油が供給できのかが問われるという。
米国石油協会のマイク・サマーズCEOは、「石油輸入の増加に繋がるだけだ。景気回復により、エネルギー需要は伸びており、米国の利益に反する」と指摘。同協会によると、石油生産の約22%、天然ガスでは12%が国有地や水域にあたるという。地域により産出が継続することに不公平感が生じるため、業界からの抵抗は大きい。
一方で環境保護派は、バイデン氏の環境対策を好感、国有地での産出廃止を目指して圧力をかけ続ける。海洋保護団体「Oceana」は、トランプ元政権の沿海開発政策の転換は、190億トンの温室効果ガス削減に繋がると指摘する報告書を公開する予定。
同日付『AP通信』は「バイデンが公有地での石油、天然ガスの販売を停止」との見出しで以下のように報道している。
ジョーバイデン大統領が、トランプ前政権のエネルギー政策や環境と気候変動政策を転換し、公有地での新規石油、天然ガス産出を停止すると発表する予定。これにより、新規産出は60日間停止されることとなる。当局はこの期間を、石油ガス採掘の環境への影響を査定する時間に充てるとする。
環境団体は気候変動を遅らせるために緊急に求められる行動だとしてこれを評価している。一方、石油業界団体はバイデン氏は就任初日からキーストーンXLパイプライン建設認可を取消したことで雇用を奪っていると批判。
バイデン政権は石油燃料からの転換に数十億ドルを投資する公約を掲げている。また、クリーンエネルギー分野で数千人の雇用を創出することを最優先課題とすると発言していた。
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