バイデン米大統領は就任してすぐ、トランプ前大統領の強硬な移民政策を転換し、約1100万人の不法移民に市民権獲得への道を開く対策を行っている。民主党の政策を進めるためには、ラテン系有権者の期待に応えることが急務となっている。
1月24日付
『AP通信』は「バイデンの移民政策が民主党にとってのリスクとなる理由」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権の移民政策は、大きな期待の裏で政治的リスクに直面している。先週、移民政策の見直しとして、米市民権を取得するプロセスを短縮し、不法滞在者約1100万人への市民権付与する法案を提出。これはトランプ元大統領の強行政策を一掃し、幼少期に帯同した多くの移民に法的権限を保障しようというもの。...
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1月24日付
『AP通信』は「バイデンの移民政策が民主党にとってのリスクとなる理由」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権の移民政策は、大きな期待の裏で政治的リスクに直面している。先週、移民政策の見直しとして、米市民権を取得するプロセスを短縮し、不法滞在者約1100万人への市民権付与する法案を提出。これはトランプ元大統領の強行政策を一掃し、幼少期に帯同した多くの移民に法的権限を保障しようというもの。
この政策は他のバイデンの看板政策である新型コロナ対策やグリーンエネルギー関連のインフラ法案、保険の対象者拡大などとは相容れぬものとなる。これを実現できなければ、ラテン系有権者の期待を裏切りることとなり、支持を失うことは民主党の政治的リスクに尾を引くこととなる。
APの全国有権者調査によると、トランプとの選挙戦でバイデンはラテン系から63%(トランプは35%)の支持を獲得したが、ネバダ州他の激戦州ではトランプが差を縮め39%に躍進。共和党の移民政策に反対してきたメキシコ系米国人を基盤とするアリゾナ州では、バイデンが1996年以来の民主党大統領となった。一方、ヒスパニック系が国内最大のフロリダではトランプの反社会主義思想により負けた。
バイデン大統領は、ラテン系活動家からオバマ元大統領との繋がりが懸念されて、急務として過去数ヶ月、移民活動家に向かい、移民改革を優先事項とするようアピールを重ねてきた。しかし、共和党員からの支持は期待以下となるとみられ、通過の60票の壁を越え支持を得るのは非常に高いハードルだ。米国労働者の雇用を奪う安価な労働者の流入に対し、民主党は一枚岩とはいかず、一分の上院議員は共和党に流れている。
古くヒスパニック系の多くは民主党を支持してきたが、過去の移民政策の失敗を忘れておらず、共和党より民主党に責任があると考えている。 だが、ここ数十年は無党派に流れており、彼らの支持を少しでもつなぎとめることが重要といえる。
同日付米国『フィラデルフィア・インクワイアラー』は「不法滞在者1100万人(フィラデルフィアは5万人)にバイデンが自立の機会を与える」との見出しで以下のように報道している。
バイデン大統領が1100万人の不法移民に市民権への道を開く画期的法案を提出した。移民に攻撃的だったトランプ前大統領とは反対で、これは劇的な変化である。民主党の過半数がやや上回る程度の両院議会で承認を得られるかは不透明であり、時間も要するものとなる。
これは暫定的に仮市民のステータスを与えようとするもので、納税や犯罪歴審査を経ると、5年後に永住権の対象となり、更に3年以上経つと審査の上に市民権の申請が可能となるという。
フィラデルフィアには5万人の不法滞在者がいる。(外国人の4人に1人)先週ジム・ケニー市長は、「フィラデルフィアは寛容な都市。大切な住人を守り、彼らの権利と家族のため闘う」、「バイデン政権は、米国の移民制度の近代化へのコミットメントにトランプが残した混乱を直ちに取り除いているのだ」と述べている。ケニーのチームは2018年、法廷でトランプ政権から聖域都市、不法市民に司法制度において同等に扱われる権利を勝ち取った。
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