ロシアで極東地域を管轄する東部軍管区がこの程、高性能地対空弾道ミサイルを択捉島に実戦配備したと発表した。これまでロシア軍は、地対艦ミサイルを国後島及び択捉島にそれぞれ配備しているが、北方領土の軍備増強に拍車がかかってきていることで、安倍晋三前首相(66歳)が目論んできた、日ロ平和協定を締結した上で二島返還を実現するという施策が益々実現困難になっているとみられる。
12月1日付
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「ロシア、日本が返還要求している北方領土にミサイル実戦配備」
ロシア軍は12月1日、日本が返還要求している北方領土に高性能地対空ミサイルを実戦配備したと発表した。
ロシア極東管轄の東部軍管区声明によると、クリル諸島(北方領土及び千島列島)の防衛機能増強のため、先に配備した短距離地対艦ミサイルTor M2(射程距離約130キロメートル)に追加して、中距離地対空弾道ミサイルS-300V4(同約300キロメートル)を配備したという。...
全部読む
12月1日付
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「ロシア、日本が返還要求している北方領土にミサイル実戦配備」
ロシア軍は12月1日、日本が返還要求している北方領土に高性能地対空ミサイルを実戦配備したと発表した。
ロシア極東管轄の東部軍管区声明によると、クリル諸島(北方領土及び千島列島)の防衛機能増強のため、先に配備した短距離地対艦ミサイルTor M2(射程距離約130キロメートル)に追加して、中距離地対空弾道ミサイルS-300V4(同約300キロメートル)を配備したという。
ロシア国防省系メディア『ズベズダ・テレビ』によると、同ミサイルは北方領土4島のうちの択捉島に配備されたという。
安倍晋三前首相は8年近くの任期の間、多くの時間をロシアとの平和条約締結及び北方領土返還交渉に費やしてきた。
しかし、現実的には目立った進展がみられず、むしろロシア側が一切の交渉に応じない姿勢が見え始めている。
今年9月に前首相を引き継いだ菅義偉新首相(71歳)は、就任挨拶を兼ねてウラジーミル・プーチン大統領(68歳)と電話会談した際、北方領土問題についても話題に上げたという。
12月2日付『ロイター通信』:「ロシア、日本と争いとなっている領土に最新鋭S-300ミサイル配備」
『ズベズダ・テレビ』報道によると、日本と領土問題となっている北方領土のひとつである択捉島に、移動式地対空弾道ミサイルS-300V4が実戦配備されたという。
同メディアは、“同島には既に、短距離地対空ミサイルが配備済みであるが、今回、「重砲部隊」に匹敵する大型地対空ミサイルが配備されたことになる”と報じた。
旧ソビエトは第二次大戦末期、南クリル諸島と呼ばれる北方4島を制圧した。
この領土問題があるため、これまで日ロ両国間の平和条約が未締結のまま今日に至っている。
今回の追加ミサイル配備に当たり、日本側は、ロシアによる北海道北部~千島(クリル)列島~カムチャッカ半島に及ぶ極東方面の軍事強化に非常に神経質になっている。
なお、ロシアによるミサイル追加配備は、首相在任中に北方領土問題解決に向けてプーチン大統領と精力的な交渉を続けてきた安倍首相が今年8月に退任して間もなく実行された。
閉じる