3週間前の前回報道時以降も、厳しい冬を迎える北半球で特に新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行が更に深刻化している。その中でも、一日の新規感染者10万人超が2週間以上も続く米国では、カリフォルニア州等で再度夜間外出制限措置を講じて感染抑制に努めている。なお、11月20日午後3時半現在、感染者5,689万8,415人(前回より+1,188万61人増)、死者136万381人(同+17万9,354人増)、致死率2.4%(同▼0.2%減)となっている(米ジョンズ・ホプキンズ大学集計データ引用)。
11月20日付
『AP通信』他:「COVID-19感染流行問題に関わる直近の状況」
<ハイライト>
●欧州連合(EU):米製薬会社モデルナ(2010年設立)・ファイザー(1849年設立)がドイツのバイオNテック(2008年設立)と一緒に開発したワクチンが、今年のクリスマスまでに認可見込みと発表。
●アフリカ大陸:新規感染者が200万人突破、また、死者も5万人に迫る勢い。
●米国:①感染が再び急拡大の西部カリフォルニア州、11月21日から1ヵ月間の夜間外出制限措置を発表。
②米疾病予防管理センター(CDC、1946年設立)、感謝祭(11月26日)休日期間の旅行自粛を要請。
③ジョー・バイデン次期大統領(77歳)、トランプ政権がワクチン開発に関わる情報共有に非協力的と非難。
●韓国:一日の感染者が3日連続で300人超となり、大都市圏で11月19日以降、再度ソーシャルディスタンシングの徹底強化を宣言。
<EU>
・EU委員会(1967年設立のEU政策執行機関)のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長(62歳、ドイツ人政治家)は11月19日、米製薬会社モデルナ、ファイザーがドイツのバイオNテックと開発中のワクチンが、今年のクリスマス時期までに認可の見通しと発表。
・EUの医薬品当局である欧州医薬品庁(EMA、1995年設立、Brexitを受けて2019年3月、本部がロンドンからアムステルダム移転)は、米国食品医薬品局(FDA、1906年設立)と連絡を密にとり、臨床試験結果、薬品効果等につき情報共有。
<アフリカ大陸>
・全56ヵ国の新規感染者合計が200万人(世界合計の3.5%)を突破し、死者も5万人(同3.7%)に迫る勢い。
・世界人口77億人に対して占める割合17%に比し、感染者・死者比率とも依然低いが、医療体制の貧弱さ等より、感染が蔓延すると食い止められなくなる恐れ。
<米国>(感染者1,176万51人、死者25万5,496人、致死率2.2%)
・カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(53歳、民主党)は11月19日、新規感染者拡大を受けて、11月21日から1ヵ月間、午後10時から翌朝午前5時の間の夜間外出制限措置導入を発表。
・対象地域は、同州全58郡のうちの“深刻度高(同州で紫色表示)”の41郡で、同州全人口の94%、4千万人弱に影響。
・当該41郡は、数日前にレストランや商店の営業時間制限措置を講じたばかり。
・米中西部オハイオ州でも11月19日、同じく夜間外出制限措置を導入。
・米アレルギー・感染症研究所(1955年設立)のアンソニー・ファウチ所長(79歳)が11月19日、数ヵ月振りにホワイトハウスのCOVID-19対策チームに復帰した上で、ワクチン開発に関し発生している懸念を“払拭”すべく、FDAとともに尽力すると表明。
・同所長は改めて、マスク着用、混雑回避、屋内ではなく戸外での活動について要請。
・一方、マイク・ペンス副大統領(61歳、共和党)は11月19日、数ヵ月に及ぶCOVID-19対策チームの検討結果について初めて公表。しかし、記者団の質問は一切受け付けず、また、感謝祭休日期間中の旅行自粛等についても何ら言及なし。
・バイデン次期政権からは、COVID-19対策に関わる情報共有も一切なされないとして強硬に非難。
・米保健福祉省のアレックス・アザール長官(53歳、共和党)は11月19日、ファイザー及びバイオNテック両社が、開発中のワクチンについて11月20日にFDAの認可要請と公表。
・同長官は、年末までのワクチン供給の“期待大”とし、両社も臨床試験で95%の効果を確認済みと発表。
<韓国>(感染者3万17人、死者501人、致死率1.7%)
・韓国疾病予防センターが11月20日、3日連続で300人超の感染確認と発表。
・これを受けて、ソウル、光州(クァンジュ、南西部)、江原道(カンウォンド、東部)当局が11月19日以降、改めてソーシャルディスタンシング徹底強化を要求。
・丁世均首相(チョン・セギョン、70歳)は11月20日、プール、サウナ、学校、事務所等でクラスター(集団感染)が発生しているとした上で、年末にかけての会食等を控え、また、可能な限りテレワークを徹底するよう再度要請。
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