フランス・パリ郊外で16日、表現の自由を扱う授業で、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を授業で使った公立中学校の男性教師が、イスラム教過激派の移民男性に首を切られ殺害された。週末にはフランス国内各地で、連帯を示すデモが行われ、フランス政府は、イスラム原理主義者の移民に対し、厳しい措置を取っていく方針を発表した。
『ルポワン』によると、18日日曜日、フランス各地で、16日に殺害された教師に敬意を払おうとデモが行われた。パリ中心部で行われたデモでは、数千人の人々が表現の自由を守るために、「蒙昧(もうまい)主義」に反対する声を上げた。デモには、教師や、政治家、市議会議員などが参加した。
パリ地方で音楽教師をしているというヴィルジニーさんは「私は教師として、母として、フランス人女性として、共和国国民としてここにいます 」と、語った。...
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『ルポワン』によると、18日日曜日、フランス各地で、16日に殺害された教師に敬意を払おうとデモが行われた。パリ中心部で行われたデモでは、数千人の人々が表現の自由を守るために、「蒙昧(もうまい)主義」に反対する声を上げた。デモには、教師や、政治家、市議会議員などが参加した。
パリ地方で音楽教師をしているというヴィルジニーさんは「私は教師として、母として、フランス人女性として、共和国国民としてここにいます 」と、語った。4歳の息子を連れて参加した男性は、「この暴力が定着して日常になってはいけない」と訴えた。
南仏マルセーユのデモに参加した歴史教師の二コラさんは、「国はこの野蛮な行為に対して団結して立ち向かわなければならない 」と語った。そして、風刺画を生徒たちに「見せて説明する」ことを続けていくという。「これまで以上に私たちは教育を必要としている」と述べた。
『レゼコー』によると、事件当日の夜に現場を視察したジャン=ミシェル・ブランケール国民教育大臣は、「特徴的なイスラム教徒の攻撃」であると述べた上で、「私たちはみな恐れてはならず、行動しなければならない。民主主義が最強であることを示さなければならない」と主張した。
カステックス首相は、教師の安全を強化するために「より強力な対応戦略」と「具体的なアクション」をとることを約束した。また、マクロン大統領の側近によると、分離主義と過激なイスラム教との戦いを意図した法律の草案は、「追加、拡大、あるいは深められる」可能性があるという。そして閣僚評議会に12月9日に提示される予定だったが、早められる可能性が出てきた。
政府は、学校の安全を強化する対策を取る方針を発表し、内務省を介して、すでに特定されている過激派組織の制御、制裁、閉鎖、および解散を急ぎたい考えを示した。すでに特定されているイスラム原理主義思想の個人に対する対応も加速させる方針で、ダルマナン内相は、全国の知事に対し、フランスの国家テロ防止データベース「FSPRT」に登録されている231人の過激派テロ思想の外国人を、国外追放する手続きをとるよう求めた。また、大統領府は、ヘイトスピーチを行っている団体や個人に対する「具体的な行動」を約束した。
殺害された公立中学校教師の国葬が21日に開かれる予定となっている。
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