国連派遣の人権調査チームが、ベネズエラにおける人権侵害状況調査に携わり、ニコラス・マドゥロ政権側妨害によって入国の上の調査は不可能だったものの、オンライン・インタビュー等を通じて同政権の人権侵害が認められたとの報告書を国連人権理事会に提出した。これに対して政権側は、米国がNGO団体等に不適切な資金援助をして虚偽報告をなさしめたと米国を非難する声明を出している。
9月23日付
『ボイス・オブ・アメリカ』:「国連調査チーム、ベネズエラの人権侵害が認められたとの調査報告」
国連から派遣されたベネズエラ人権調査チームである国際事実調査派遣団はこの程、ニコラス・マドゥロ大統領(57歳)率いる政権によって認知・主導された、ひどい人権侵害と虐待が行われていることが認められたとする調査報告書を国連人権理事会宛に提出した。
同派遣団によると、政権側の協力が得られず、入国も許されなかったため、同国内の被害者や証人らとオンライン・インタビューを通じて接触したという。...
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9月23日付
『ボイス・オブ・アメリカ』:「国連調査チーム、ベネズエラの人権侵害が認められたとの調査報告」
国連から派遣されたベネズエラ人権調査チームである国際事実調査派遣団はこの程、ニコラス・マドゥロ大統領(57歳)率いる政権によって認知・主導された、ひどい人権侵害と虐待が行われていることが認められたとする調査報告書を国連人権理事会宛に提出した。
同派遣団によると、政権側の協力が得られず、入国も許されなかったため、同国内の被害者や証人らとオンライン・インタビューを通じて接触したという。
その結果、治安部隊や軍情報機関による直接的な人権侵害を示す多くの証拠が得られたとしている。
マルタ・バリナス派遣団長(ポルトガル人法律家・人権活動家)は、政府に反旗を翻す市民に対する違法な暴行、恣意的拘束、拷問、性的虐待が治安部隊によって行われているとし、“223件に及ぶ人権侵害が、政権の主導の下で全国的に実施されていたことが判明した”と述べた。
これに対して、国連ジュネーブのベネズエラ代表ジョルジュ・バレーロ大使は、米国がベネズエラ政権転覆を図って裏で糸を引いていると非難した。
同大使によると、米陸軍グリーンベレー(特殊部隊)の元隊員とベネズエラ国外追放者らによって組織されたギデオン作戦部隊が米国の支援を受けて、マドゥロ大統領を誘拐しようと試みたという。
しかし、ドナルド・トランプ大統領もマイク・ポンペオ国務長官も、異口同音にこの嫌疑を全面否定している。
なお、バレーロ大使は更に、“米中央情報局(CIA)及びその他米政府部門が結託して、ベネズエラの人権問題をでっち上げるためにNGO団体に300万ドル(約3億2千万円)も支援して、このようないい加減な調査報告書を作成させた”とし、“このようなNGO団体は人権問題を商売道具にしている”と非難した。
同日付『ニューズウィーク』誌:「ベネズエラ、米国が“世界平和の最大の脅威”と非難」
ベネズエラのカルロス・ロン北米担当副大臣は『ニューズウィーク』誌のインタビューに答えて、“米国はイランに対する制裁だけでなく、キューバにも制裁を加えるとしており、米国が国際社会に危機をもたらしている”と非難した。
同副大臣は、マドゥロ政権がイランとの取引を行っていることを理由として、トランプ政権が9月21日、ベネズエラに対して制裁を科すと発表したことに反発して、かかるコメントを出した。
更に、“ベネズエラが、イランばかりかその他の国々と行っている取引は、独立した主権の下で、法に則って実施している正規のものだ”と強調している。
また、同副大臣は、“トランプ政権こそ、国際法等を全く無視して、一方的な制裁を加えており、更に、国連の国際協調システムをも危うくしている”とし、“米国は目下、世界の平和と安定を脅かす最悪の存在だ”と糾弾した。
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