日本は既に、新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題鎮静化の国々、例えばベトナム・タイ・台湾・マレーシア等とのビジネス関係者の往来を認めていて、来月には入国禁止対象となっている159ヵ国・地域との往来についても緩和することを検討している。そこで、来年に延期された東京オリンピック・パラリンピック大会を無事に開催に漕ぎ着けるべく奮闘している同組織委員会事務局代表が、この程、大会参加選手団の入国条件の大幅緩和を国に求めた。
9月23日付
『AP通信』:「東京オリンピック組織委事務総長、大会参加選手の入国条件緩和を要請」
東京オリンピック大会組織委員会の武藤敏郎事務総長(77歳、日本銀行元副総裁)は9月23日、来年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピック大会開催に当たって、現在適用されている入国者に対する14日間の隔離待機条件等について、同大会の参加選手への適用を緩和するよう国に求めたいと発言した。
同事務総長が、COVID-19対策に関わる検討委員会会合後に語ったもので、“選手の練習等に支障が出ないよう、14日間の隔離条件除外等が必要と考える”と言及した。...
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9月23日付
『AP通信』:「東京オリンピック組織委事務総長、大会参加選手の入国条件緩和を要請」
東京オリンピック大会組織委員会の武藤敏郎事務総長(77歳、日本銀行元副総裁)は9月23日、来年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピック大会開催に当たって、現在適用されている入国者に対する14日間の隔離待機条件等について、同大会の参加選手への適用を緩和するよう国に求めたいと発言した。
同事務総長が、COVID-19対策に関わる検討委員会会合後に語ったもので、“選手の練習等に支障が出ないよう、14日間の隔離条件除外等が必要と考える”と言及した。
国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、政府及び同大会組織委員会代表が9月24、25日、COVID-19感染流行問題が継続している中で、如何に来夏の同大会を開催・運営していくかについて、テレビ会議を通じて討議する。
これまで数ヵ月間、IOC及び同大会組織委は、来年7月23日の開会式に続く一連の競技会を無事に運営するための様々なシナリオを検討してきたとするが、その詳細については明らかにされていない。
ただ、IOCのトーマス・バッハ会長(66歳、ドイツ人弁護士、フェンシング元西ドイツ代表)は、ワクチン開発と迅速な臨床試験が進むことで大会開催の望みが大きくなるとしながらも、労せず大会が開催できるようになる“銀の弾丸(注後記)”がある訳ではないと表明している。
外務省によれば、バッハ会長と菅義偉新首相(71歳)が9月23日、15分程テレビ会議を持ったという。
なお、武藤事務総長は、1万5,400人に及ぶ同大会参加選手団、監督・コーチ、政府及び海外スポンサー関係者の入国措置の緩和について言及はしたが、大会競技観戦者の扱いについては触れていない。
ただ、同事務総長は、隔離条件が緩和された選手団等の移動は公共交通機関を使わざるを得ず、感染リスクの防止策に対する“夢のような計画”などは考えられず、地道に対応していく他はないとしている。
同日付『ロイター通信』:「日本、東京大会参加選手の入国時COVID-19感染検査を要求」
東京大会組織委員会、政府及び東京都関係者が9月23日、今週後半に予定されているIOCとのテレビ会議に先立ち、来年に延期された東京大会の開催・運営について協議した。
その結果、同大会に参加する外国選手団等は、日本入国の際にCOVID-19感染検査を受けることが義務付けられることとされた。
また、日本選手団や日本在住の外国選手等についても、海外でのトレーニングキャンプや予選会等に参加して再入国する場合は、同様の措置が講じられるとされた。
武藤事務総長は、COVID-19感染防止策の詳細は依然検討中としているが、IOC及び関係国際スポーツ連盟等と細部につき協議の上、12月までには最終案を決定したいと言及した。
(注)銀の弾丸(転じて特効薬):銀で作られた弾丸で、西洋の信仰において狼男や悪魔などを撃退できるとされ、装飾を施された護身用拳銃と共に製作。銀には高い殺菌作用があるほか、ヒ素化合物のひとつである硫化ヒ素と反応して黒変する性質があるため、古くから病をもたらす未知の存在へ対抗する手段として経験則的に知られている。こうした背景から、通常の弾丸では通用しない吸血鬼や狼男、魔女なども銀の弾丸なら射殺できるとされ、伝説やフィクションの世界で多用される存在となった。転じて、厄介な対象を一撃で葬るもの、という比喩表現として用いられ、例えば、ある事象に対する対処の決め手や特効薬、あるいはスポーツで相手チームのエース選手を封じ込める選手などを表現する場合に用いられる。
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