米当局は21日、ニューヨーク州クイーンズ区の警察署に勤務していた警察官が、密かに中国政府のためにスパイ活動を行っており、チベット独立運動の支持者を追跡し中国当局に情報を流していたとして逮捕した。
『ワシントンポスト』によると、米当局は、米陸軍の予備役でもあるバイマダジ・アンワン容疑者を、中国との接触について政府の公式書類に嘘をつき、不法に外国人工作員として働き、通信詐欺や虚偽申請などを行ったとして起訴した。また、国家安全保障上の身元調査を妨害したことでも告発している。
有罪判決を受けた場合、最大で55年の刑を受ける可能性がある。
米国市民に帰化したアンワン容疑者は、2016年からニューヨーク市警に勤務していたが、
同容疑者はニューヨーク中国領事館の二人の職員と接触していたと見られている。...
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『ワシントンポスト』によると、米当局は、米陸軍の予備役でもあるバイマダジ・アンワン容疑者を、中国との接触について政府の公式書類に嘘をつき、不法に外国人工作員として働き、通信詐欺や虚偽申請などを行ったとして起訴した。また、国家安全保障上の身元調査を妨害したことでも告発している。
有罪判決を受けた場合、最大で55年の刑を受ける可能性がある。
米国市民に帰化したアンワン容疑者は、2016年からニューヨーク市警に勤務していたが、
同容疑者はニューヨーク中国領事館の二人の職員と接触していたと見られている。
ニューヨーク東部地区に提出された裁判所の書類によると、彼は領事館の職員に「チベット民族の活動」について報告し、中国の監視活動を支援するために、地域社会の中で潜在的な情報源を特定するために働いていた。
米当局はまた、アンワン容疑者がニューヨーク市警主催のイベントに領事館職員を招待し、ニューヨーク市警の有力者と結びつけようとしていたと説明している。
チベット民族に属するアンワン容疑者は、中国当局によって拷問されたと主張し、米国に政治亡命をしている。しかし、同容疑者の家族の数人は中国共産党員で人民解放軍に従軍した経験があることが捜査の結果判明している。
『ニューヨークポスト』によると、中国外務省の汪副報道局長は22日の記者会見で「アメリカの訴えは純粋な捏造である。」と反論し、「中国の在米総領事館と職員に汚名を着せようとするアメリカのたくらみは成功しない」と米当局を強く非難した。
汪副報道局長はまた、アンワン容疑者に対する起訴状は「らしい」「可能性がある」などの断定的ではない表現で埋め尽くされており、検察側が立件に苦労している印象が見られると指摘している。
一方で「インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット」は声明で、アンワン容疑者に対する起訴は中国の悪意の深さを示していると述べ、「中国共産党は、チベット内だけでなく、チベット人が自由に発言できる亡命先の国でも、反対意見を抑制するために悪質な活動に従事している」と非難した。
中国は、50万人のチベット人農民に対し強制労働および「洗脳教育」プログラム参加を強制しているとして非難されている。
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