2週間程前の前回報道時以降も、新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行は依然深刻で、感染者はついに3千万人を突破し、死者も100万人に近づいている。特に、インドにおける感染者数増は衰えることなく急増していて、世界最多の感染者を出している米国を抜く勢いである。なお、9月21日午後2時現在、感染者3千92万9,163人、死者95万9,528人、致死率3.1%となっている(米ジョンズ・ホプキンズ大学収集データを引用)。
9月20日付
『AP通信』他:「COVID-19感染流行問題に関わる直近の状況」
≪ハイライト≫
●米国:死者が遂に20万人超となるも、ドナルド・トランプ大統領(74歳)は対策に問題なしと強気。
●インド:依然感染者急増が止まらず、世界最多の米国を凌ぐ勢い。
●ブラジル:最多の死者を出したリオデジャネイロで追悼記念館が建設されて故人を追悼。
●英国:陽性者に自主隔離義務を負わせ、違反者に最大1万ポンド(1万3千ドル、137万円)の罰金賦課を決定。
≪米国≫(感染者686万3,854人、死者20万2,409人、致死率2.9%)
・死者総数が遂に20万人超。
・最多はニューヨーク州の3万3,087人、次いでニュージャージー州、テキサス州、カリフォルニア州が続き、計4州で全米のほぼ半分を占める。
・しかし、トランプ大統領は、現在のCOVID-19対策はワクチン開発含めて問題なく進められていると主張。
≪インド≫(感染者548万7,580人、死者8万7,909人、致死率1.6%)
・直近一日の感染者が9万2,605人と全く感染拡大の勢いは衰えず、数週間内に世界最多の米国を凌ぐ見込み。
・全体の60%以上が同国全28州のうちの5州に集中。
・景気後退もあって数百万人の失業者を出していることから、ナレンドラ・モディ政権のCOVID-19感染対策への不満が拡大。
≪ブラジル≫(感染者454万4,629人、死者13万6,895人、致死率3.0%)
・リオデジャネイロ州の感染者は25万人超、死者1万7,600人超と同国最多。
・そこでリオデジャネイロ市は、市内犠牲者の4千人を追悼するためのインフィニティ・メモリアル(無限の記念館)を建設して追悼。
≪英国≫(感染者39万4,257人、死者4万1,777人)
・直近の感染者が4,422人と、5月のピーク時以来再び急増したことから、9月28日以降、陽性者に自主隔離義務を負わせ、違反者に最大1万ポンドの罰金賦課を決定。
・但し、低所得者の陽性者には、一時金500ポンド(633ドル、6万8千円)を支給。
・欧州の他国と同様、英国においても第2波が発生しているとボリス・ジョンソン首相(56歳)が判断した場合、ロンドン含めたかなりの広範囲で追加の都市封鎖措置実施の可能性。
≪ドイツ≫(感染者27万1,415人、死者9,464人、致死率3.5%)
・西端デュッセルドルフ市で9月20日、数百人が政府のCOVID-19に伴う制限措置に抗議してデモ行進。
・デモ隊は口々に“感染流行は虚偽”等と叫んだが、取材中のメディアは別にして誰もマスク不着用。
≪イスラエル≫(感染者18万7,902人、死者1,256人、致死率0.7%)
・数千人のイスラエル市民が9月20日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相退陣を求めてデモ行進。
・同国は目下、感染者増のために一部行動制限の措置が講じられているが、デモ隊はソーシャルディスタンシング等を守らず。
・市民の抗議デモは、同首相が汚職容疑で裁判にかけられている頃から今夏をとおして継続。
・なお、同国の感染者数は人口当たりで非常に高いレベル(10万人当り209人)。
(編注;ブラジル2,138人、米国2,091人、スペイン1,359人、ロシア764人、インド398人、日本63人、中国6人)
≪レバノン≫(感染者2万9,303人、死者297人、致死率1.0%)
・直近3日間連続で感染者最多更新(一日当たり千人超)。
・7月初めに都市封鎖が緩和され、国際空港が再開されて以降漸次増加。
・特に、8月4日のベイルート港での大爆発事故(犠牲者193人、負傷者6,500人以上)発生以降、収容病院不足もあって継続的に増加。
・同国のハマド・ハサン保健相(51歳)は2週間の都市封鎖措置を実施したい考えだが、未曾有の景気後退が起こっている中、政府としては実行は困難との見方。
≪オーストラリア≫(感染者2万6,898人、死者849人、致死率3.2%)
・第2の都市メルボルンの9月20日感染者が14人、死者5人と漸く鎮静化。
・従って、2ヵ月前後続いた都市封鎖措置も来週末には解除され、チャイルドケアセンターも再開される予定だが、一緒の行動が認められるのは2家族、計5人までという制限。
・ビクトリア州ジェニー・ミカコス保健相(51歳)は、“多くの州民の生活が犠牲となったが、お陰でこれ以上多くの犠牲者を出さないで済む”と称賛。
・同国スコット・モリソン首相(52歳)は、失業率が“COVID-19感染ピーク時より14ポイントも下がり”9.3%となったと強調。これは、約40万人が復職できたことを意味。
≪ギリシャ≫(感染者1万5,142人、死者338人、致死率2.2%)
・直近の感染拡大に伴い、アテネ及び近郊において、9月21日から少なくとも10月3日まで、新たな行動制限措置実施。
・屋内外問わず9人以上集まることを禁止、またコンサート・劇場も閉鎖。
・全従業員の40%は自宅でのテレワークとするが、経営者がカメラで従業員を監視することは禁止。
・65歳以上の高齢者は今後2週間、親戚訪問を除いて外出や公共交通機関利用を制限。
≪ミャンマー≫(感染者5,805人、死者94人、致死率1.6%)
・直近の感染拡大により、ミン・フエ保健相(71歳)は9月20日、9月21日よりヤンゴン市内の行動制限措置を実施すると発表。
・これによって、買い物は各家庭1人、病院の場合は2人までとし、もし車移動の場合は運転手の同行も可とするが、但しマスク着用義務。
・全ての従業員は自宅でのテレワークとし、工場・精錬所・建設会社は9月24日から10月7日まで操業禁止。
・但し、銀行・ガソリンスタンド・食品店・薬局等生活必需品を扱う業種は例外。
・なお、ヤンゴン市外への旅行や国内便は9月11日より禁止措置済み。
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