人種問題への抗議活動が拡大するなか、アメリカ西海岸のシアトルで抗議デモの参加者の一部が「自治区」を設置し、3週間余りにわたって集会を続けていた。しかし、犯罪の急増で治安が悪化し、地元警察がデモ隊を強制的に排除した。
『ロイター』によると、米国では、5月25日にミネソタ州で白人警官が黒人男性を死なせた事件を受けて様々な州で抗議活動が広がり、シアトルでも抗議デモの参加者と警察の衝突が続いた。
その後参加者の一部がバーや洋服店が並ぶおしゃれな地域の一部に、自治区を設置し、地元警察はその地区から完全撤退した。
しかし、お祭りのような雰囲気の中で政治演説を聞くために集まっていた何千人もの人々や、即興の保健所や食糧配給のテントは、そのうち姿を消していったという。...
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『ロイター』によると、米国では、5月25日にミネソタ州で白人警官が黒人男性を死なせた事件を受けて様々な州で抗議活動が広がり、シアトルでも抗議デモの参加者と警察の衝突が続いた。
その後参加者の一部がバーや洋服店が並ぶおしゃれな地域の一部に、自治区を設置し、地元警察はその地区から完全撤退した。
しかし、お祭りのような雰囲気の中で政治演説を聞くために集まっていた何千人もの人々や、即興の保健所や食糧配給のテントは、そのうち姿を消していったという。
カルメン・ベスト警察署長はプレスリリースで、自治区では4件の発砲事件のうち、2件は死者が出ており、他にも「窃盗、暴行、暴力、および無数の財産への攻撃」など、「自治区は無法と残虐行為の場になった」と指摘した。
シアトルのダーカン市長はこうした状況をうけて、集会を禁止し地元警察が自治区に赴いてデモ隊を強制的に排除した。
『ニューヨーク ポスト』によると、ダーカン市長は、自治区の設置後、6月2日から30日にかけて、犯罪行為の525パーセントという驚異的な増加が確認されたとして、デモ隊を排除する緊急命令を発令した。
同市長は、人に対する犯罪行為が22件、うち殺人が2件、強盗事件が6件に加重暴行事件が16件起きていたことを明らかにし、「自治区内とその周辺地域での活動が、公衆衛生、生命、安全を脅かすところまで悪化した」ため、地元に警察を戻すことを決定した。
『レクスプレス』によると、強制排除の際、解散の拒否や妨害、攻撃、刃物や金属パイプを含む武器の不法所持の疑いで、31人が逮捕されたという。
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