【Globali】
マイクロソフトでAIが記事編集、ジャーナリスト解雇
マイクロソフト社は、ポータルサイトMSNやブラウザで展開しているニュースの選択・編集作業を今後は人ではなく、人口知能(AI)に置き換えるという。
5月30日付米国
『フォーブス』は「マイクロソフトがジャーナリスト数十人をロボットに置き換える」との見出しで以下のように報道している。
マイクロソフト社のポータルサイトへは1995年の立ち上げ以来多くの変更が行われ、2000年以降は主に、オリジナル記事と天気予報やメール等他のサービスへのリンクを提供している。2014年からは、オリジナル記事を辞め、外部メディアから記事を選択し編集するスタッフへ委託を行ってきた。...
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5月30日付米国
『フォーブス』は「マイクロソフトがジャーナリスト数十人をロボットに置き換える」との見出しで以下のように報道している。
マイクロソフト社のポータルサイトへは1995年の立ち上げ以来多くの変更が行われ、2000年以降は主に、オリジナル記事と天気予報やメール等他のサービスへのリンクを提供している。2014年からは、オリジナル記事を辞め、外部メディアから記事を選択し編集するスタッフへ委託を行ってきた。今後同社は約50人を解雇し、これまで人の手で行ってきたほぼすべてのタスクを効率化し、AIアルゴリズムを使い、最良の記事選別、見出しのリライト、写真選択を行う方針だという。同社はこれは予算削減が主な理由でパンデミックによる転換ではないとしている。この動きは、予算削減やオートメーション化が不安視されている世界の出版業界のプロフェッショナルたちに不安を与えるだろう。
人員を減らす事による情報の質の低下も懸念される。エディターたちはただ記事を切り貼りしているのでなく、記事が暴力や青少年向けに不適切な内容が無いか等ガイドラインに沿ったものかを見極め、広範な政治スペクトラムを反映し、小規模新聞から見逃されがちな面白い記事を発掘するなど編集作業を念入りに行っていたという。
オートメーション化により、ニュース編集室は、人数を減らした状態で継続され一部機械化される。
同日付英国『ガーディアン』は「マイクロソフトがロボット採用でジャーナリスト解雇」との見出しで以下のように報道している。
今後、MSNのウェブページや新ブラウザ「Edge」のユーザーは、AIで生成されたニュース記事を読むこととなる。世界的なオートメーション化への流れを受け、マイクロソフトが人口知能ソフトへの転換決定後、ニュースのホームページを担当していたPAメディア(通信社)のジャーナリスト27名を解雇。
マイクロソフトの編集チームはオリジナル記事ではなく、他ニュース機関(ガーディアンを含む)の記事の選別と編集をしてきた。フォーマットに合わせて内容や見出しを編集。オリジナル出版機関からの広告収入を得てきた。スタッフはページ上の暴力や不適切なコンテンツを防ぐ厳しい編集ガイドラインを守ってきたため、人からソフトウェアへの変更は、リスキーだとする。
ニュース記事を人が書き上げることで、フォーマットに見合うクリアで的確な見出しが期待できた。また、政治的意見の拡大を促進したり、信頼性のない記事の掲載を避けたり、小さな新聞社からの面白い記事を発掘する事が出来た。
業界全体で経費削減の波がある中、マイクロソフトのキュレーション自動化は、世界の他ニュース機関にも波及すると考えられる。昨今、多くのIT企業がジャーナリズムにおける人口知能の活用を研究しており、グーグルはプロジェクトに投資している。しかし、記事の執筆を自動化する試みはそれほど普及してはいない。
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