数多の報道記事どおり、中国発の新型コロナウィルス集団感染問題は世界に広がりつつある。そうした中、中国に次いで2番目に感染患者を出している日本では、最大輸出先である中国の経済活動制限と相俟って、直近の製造業工場生産指数が2012年以来急激に落ち込んでいる。
2月21日付
『ロイター通信』:「日本の工場生産活動が新型コロナウィルス問題の影響で2012年以来急激収縮」
中国発の新型コロナウィルス集団感染問題から、経済活動への深刻な影響に鑑み、2月の日本の工場生産活動は、7年振りに急速な落ち込みを見せている。
auじぶん銀行(注1後記)速報によると、2月のPMI(注2後記)は、1月の48.8から更に下落して47.6と、2012年以来の最低値となっている。...
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2月21日付
『ロイター通信』:「日本の工場生産活動が新型コロナウィルス問題の影響で2012年以来急激収縮」
中国発の新型コロナウィルス集団感染問題から、経済活動への深刻な影響に鑑み、2月の日本の工場生産活動は、7年振りに急速な落ち込みを見せている。
auじぶん銀行(注1後記)速報によると、2月のPMI(注2後記)は、1月の48.8から更に下落して47.6と、2012年以来の最低値となっている。
景気後退を示す指数50未満の状況が10ヵ月続くことになり、2008年の世界金融危機後に2009年6月まで16ヵ月連続して50未満を記録して以来の長さとなる。
PMIを調査・編集しているHISマーキット(本社ロンドンの情報収集企業)エコノミストのジョー・ヘイズ氏は、“直近のPMIは、世界第3位の経済大国の景気後退を如実に示している”とコメントした。
同氏は更に、“特に観光業を含めたサービス産業の落ち込みが、2016年6月以来顕著となっている”と付言した。
また、先週発表された昨年10~12月期消費減を示すデータは、10月の消費税増税の影響が多分にあるが、今回のPMI指標の落ち込みは、更に新型コロナウィルス集団感染問題が深く影を落としているとみられる。
なお、PMIの急激な落ち込みを受けて、産業界から行政府に対して、新たな景気対策を求める声が強くなろう。
(注1)auじぶん銀行:電気通信事業者KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立したネット銀行。
(注2)PMI(Purchasing Managers’ Index):景気の先行きを示す指標のひとつであり、製造業の購買担当者に生産意欲などをアンケートして指数化したもの。製造業の工場が、どのような生産計画を立て、どのくらいの資材を必要としているかにもとづいた指数となる。PMIが50を超えると景気拡大を示し、50未満だと景気後退を示す。PMIは購買担当者だけでなく、原材料メーカーや金融機関、投資家にとっても、景気動向を見極める上で重要な指標となっている。
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