米ボーイスカウト連盟は18日、デラウェア州の裁判所に連邦破産法11条の適用を申請した。同団体は、幹部から性的虐待を受けたとする多数のメンバーから提訴されており、賠償金を支払うための原資を保全し、経営再建を図ることが狙いであるとしている。
『ロイター通信』『AFP通信』や、
『FOXニュース』などの米メディアが、米ボーイスカウト連盟(BSA)の連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)申請を報じた。BSAは1910年に創設。テキサス州アービングが本拠で、5~21歳の約220万人のメンバーが所属する。メンバー数は1970年代に400万人を超えていたが、近年は低迷を続けていた。
BSAに対しては、その110年の歴史を通じ、数千人の若いメンバーを長年にわたり苦しめてきた性的虐待について隠蔽し、同団体を利用して未成年者を餌食にしてきた小児性愛者を根絶するための対応を十分に行わなかったとして、批判の声が高まっていた。...
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『ロイター通信』『AFP通信』や、
『FOXニュース』などの米メディアが、米ボーイスカウト連盟(BSA)の連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)申請を報じた。BSAは1910年に創設。テキサス州アービングが本拠で、5~21歳の約220万人のメンバーが所属する。メンバー数は1970年代に400万人を超えていたが、近年は低迷を続けていた。
BSAに対しては、その110年の歴史を通じ、数千人の若いメンバーを長年にわたり苦しめてきた性的虐待について隠蔽し、同団体を利用して未成年者を餌食にしてきた小児性愛者を根絶するための対応を十分に行わなかったとして、批判の声が高まっていた。
今回、破産手続きを申請したことにより、BSAは全ての訴訟を1つの裁判所で扱い、示談交渉を進めることができるようになる。破産申請を行わずに各訴訟を戦うことに同団体の資金を用いてしまうと、一部の被害者が全く賠償金を得られなくなる可能性がある。また、破産手続きは、ハイキングやキャンプなどの野外活動を通じ、自立心を養うことを目的とするボーイスカウトの各種プログラムには影響を与えないとされている。
破産手続きについてBSAは、被害者信託基金の設立を通じ、被害者を「公平に補償する」ことが可能になるとともに、同団体が地方レベルで運営を継続することができるようになると説明している。
BSAのロジャー・モズビー最高経営責任者(CEO)は声明で、「BSAは虐待の全ての被害者に深い思いを寄せており、ボーイスカウト活動期間中に傷ついた全ての人に心からお詫びする。」と謝罪した。また、「個人が連盟のプログラムを利用し、汚れを知らない子どもたちを傷つけた時代があったことに我々は憤りを覚える。」と述べた。
被害者らを代表するジェフ・アンダーソン弁護士は昨年、1944年以降、ボーススカウトの1万2000人超のメンバーが性的に虐待されたが、BSAが保存している内部文書に、虐待の加害者7,800人超の名簿があると指摘していた。「倒錯ファイル」と呼ばれ、性的虐待をしたと非難された連盟幹部やボーイスカウトの隊長らの名前を記載した同文書は、2012年に提起された訴訟の中で初めてその存在が明らかになったという。
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