赤十字国際委員会(ICRC)は、人気シューティングゲーム「フォートナイト」のクリエーターらと協力し、ゲーム利用者に命を奪うことではなく、逆に救助の方法など、赤十字の活動を教える新たなゲーム・モードを開発し、米テキサス州でのイベントで発表した。
『AFP通信』や業界紙などが、この異色のコラボについて報じた。ICRCによれば、米テキサス州サンアントニオで17~19日にビデオゲームのイベント「PAXサウス」が開催され、有名ゲームプレイヤー3人が19日、新たなモードを披露したという。
「フォートナイト(Fortnite)」は2017年に発売されたシューティングゲームで、急速に人気を博し、文化現象となった。同ゲームの現在の登録プレイヤーは2億5000万人に上る。...
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『AFP通信』や業界紙などが、この異色のコラボについて報じた。ICRCによれば、米テキサス州サンアントニオで17~19日にビデオゲームのイベント「PAXサウス」が開催され、有名ゲームプレイヤー3人が19日、新たなモードを披露したという。
「フォートナイト(Fortnite)」は2017年に発売されたシューティングゲームで、急速に人気を博し、文化現象となった。同ゲームの現在の登録プレイヤーは2億5000万人に上る。ICRCは、世界全体でゲームプレイヤーは20億人いると見積もっており、「ゲーム界の重要性が増していることを認識している。」とコラボの意義を強調した。
フォートナイトの新ゲーム・モードは「ライフラン(Liferun)」と呼ばれ、プレイヤーは80超の国で赤十字職員が行っている4つの主たる活動について学ぶ。4つの活動とは、困窮する市民のケア、必須インフラの再建、地雷の除去、救援物資の迅速な分配のことだ。典型的なシューティングゲームには滅多にない題材である。
プレイヤーは、ゲーム中に、自らが生存するために他のプレイヤーと戦ったり、その命を奪ったりするのではなく、民間人の救助や学校の再建などの活動に従事する。ICRCは、これにより、世界の紛争地域での赤十字の活動への認知度が高まることを期待している。
ICRCの通信・技術部門の責任者ジェニファー・ハウスマン氏は声明で、「ビデオゲームは長い間主流のエンターテインメントであり、社会的プラットフォームとなってきた。そして、我々は多くのプレイヤーが現役、退役、または将来の兵士、軍関係者、武装集団のメンバー、企業の最高経営責任者(CEO)、弁護士、政治的指導者であることを知っている。」との認識を示し、さらに「我々はゲーム利用者らに賢明で魅力的な方法で語りかけ、紛争で一般市民が大いに苦しんでいることを説明する必要がある。」と述べた。
ICRCは、人間の尊厳を保護する法規範である国際人道法に対する敬意を促進するための活動を行っている。軍事機関向けのシミュレータなどの開発も手掛けるチェコ・プラハに本拠を置くゲーム開発会社ボヘミア・インタラクティブ・スタジオとも以前から提携し、同社のゲーム「Arma 3」に、人道法についてのメッセージを組み込んできた。
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