中国の国家統計局は17日、同国の2019年末現在の総人口が14億人を突破したことを発表した。一方、出生率は建国以来の低水準となり、2016年に一人っ子政策が全面的に廃止されたものの、出生数の減少に歯止めがかかっていないことが判明した。
地元の
『新華社通信』のほか、
『ロイター通信』や
『AFP通信』、
『BBC』など多くのメディアが報じた。中国国家統計局の発表によると、同国の人口は増加し続けており、2019年末には、前年末から467万人増の14億5万人となり、わずかながら初めて14億人の大台を超え、世界一の座を維持した。この数字には、香港やマカオ、台湾の人口や、海外に居住する中国人の数は含まれていない。
しかしながら、少子化の流れは止まらず、2019年の出生率は1000人あたり10.48人と、1949年に中華人民共和国が建国されて以来の低水準となった。...
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『新華社通信』のほか、
『ロイター通信』や
『AFP通信』、
『BBC』など多くのメディアが報じた。中国国家統計局の発表によると、同国の人口は増加し続けており、2019年末には、前年末から467万人増の14億5万人となり、わずかながら初めて14億人の大台を超え、世界一の座を維持した。この数字には、香港やマカオ、台湾の人口や、海外に居住する中国人の数は含まれていない。
しかしながら、少子化の流れは止まらず、2019年の出生率は1000人あたり10.48人と、1949年に中華人民共和国が建国されて以来の低水準となった。出生数は3年連続で減少し、前年から約58万人減の1465万人だった。出生数が1500万人を割ったのは、同国が3年にわたる飢饉に襲われた1961年以降で初めてのことである。
中国の2019年の経済成長率は6.1%にとどまり、1990年以降で最低水準となった。同国経済が減速するなか、多くの若い夫婦は、高額の住宅関連費用に加え、医療費や教育費の負担が重いとして、子どもをもうけることに消極的だ。中国政府は2016年に一人っ子政策を廃止し、全ての夫婦に2人目までの子どもをもうけることを認めた。しかし、出生数の増加にはつながらず、出生率は歴史的に低い状態となっている。
一方、中国民政部の統計によると、離婚率は過去最高水準に達し、2019年の第1~第3四半期には、約310万組の夫婦が離婚を申請したという。これに対し、結婚したカップルは710万組だった。
労働人口は8年連続で減少している。2019年末の16~59歳の生産年齢人口は、前年末から89万人減の8億9640万人となり、総人口に占める割合は64%だった。労働人口は、今後も加速度的に減少する可能性があり、2050年までに最大23%減少する見通しだ。
中国では高齢化も急速に進行している。2019年の60歳以上の人口は439万人増加して、2億5388万人となり、総人口の18.1%を占めた。少子高齢化の影響で、世界最大の人口の増加ペースは落ち続けており、政府は長期的な課題を突きつけられている。
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