安倍晋三政権は2018年末、中国軍事力増強や北朝鮮の脅威に備えるためとして、米国製最新鋭ステルス戦闘機F-35の購入機数を、当初予定の42機から147機へと3.5倍に増やすことを決めた。そして、費用の観点から、完成品輸入を考えていたが、その後の工程見直し等より日本国内での組み立ての方が安く済むとの見積りとなったことから、全購入機の3分の2余りの101機を日本の工場で組み立てることで最終決定する見込みである。
1月8日付
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「日本、F-35A戦闘機を日本で組み立てる意向」
日本政府は2011年12月、次世代戦闘機として米国ロッキード・マーチン製最新鋭ステルス戦闘機F-35Aを42機購入することを決めた。
その後の安全保障環境の激変もあって、安倍晋三政権は2018年12月、通常離着陸仕様のF-35Aを更に63機、また、短距離離陸・垂直着陸仕様のF-35Bを新たに42機、合計147機購入することを閣議決定している。...
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1月8日付
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「日本、F-35A戦闘機を日本で組み立てる意向」
日本政府は2011年12月、次世代戦闘機として米国ロッキード・マーチン製最新鋭ステルス戦闘機F-35Aを42機購入することを決めた。
その後の安全保障環境の激変もあって、安倍晋三政権は2018年12月、通常離着陸仕様のF-35Aを更に63機、また、短距離離陸・垂直着陸仕様のF-35Bを新たに42機、合計147機購入することを閣議決定している。
F-35A戦闘機について、当初は三菱重工の名古屋最終組み立て・検査工場(FACO)での組み立てを考えていたが、完成品輸入の方が安くつくとの試算より、国内での組み立て案を断念する方向であった。
しかし、『日経アジアン・レビュー(日経新聞アジア版英字紙)』が昨年12月中旬、日本政府が改めてF-35A戦闘機を名古屋FACOで組み立てる案を復活させることとしたと報じた。
三菱重工側が工程の見直しを行った結果、完成品輸入より割安となるとの見通しとなったことが理由だとする。
同記事によると、完成品輸入の場合、1機当り94億2千万円(約8,680万ドル)掛かるのに対して、国内組み立ての場合は93億7千万円(約8,630万ドル)で済むという。
しかし、この組み立て費用見積りに、10億ドル(約1,090億円)掛かると言われるFACO建設費用の減価償却費が含まれているかは不詳である。
もし、既に完成品購入済み4機を除いた38機分のF-35A機の組み立て費用に、この減価償却費用を割り当てると、1機当り2,600万ドル(約28億円)掛かることになるとみられる。
ただ、追加購入を決定した63機のF-35Aを全機、名古屋FACOで組み立てることになれば、当該減価償却費はかなり減額されることになろう。
なお、日本政府は2020年会計年度に、6機のF-35B完成品を総額7億2,500万ドル(約787億円、1機当り1億2,100万ドル)で、また、名古屋FACOで組み立てる前提で3機のF-35Aを総額2億5,700万ドル(約279億円、1機当り8,570万ドル)で購入する計画である。
一方、米国側は、F-35Aの重要機密技術が漏れないよう、全ての部品が米国内で製造されて日本に輸出された後、名古屋FACOで最終組み立てされる措置が取られる。
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